情報流通ビジネス研究所は2010年9月10日、調査レポート「モバイルSNS/ソーシャルアプリの事業分析と市場規模予測」を発表した。
同調査によると、モバイルSNSの市場規模は、2009年の推定市場規模約680億円から、2012年には4倍近い約2600億円に急拡大すると予測されるという。その背景にあるのは「無料ソーシャルゲームを起爆剤としたユーザー大量流入と、コンテンツ供給のスパイラル的増殖」。隣接市場である家庭用ゲームソフト(2008年実績・3980億円)やアーケードゲーム(同・5731億円)、およびモバイルコンテンツ市場規模全体(2009年実績・5525億円)と中長期的には桁を同じくするスケールに発展するとしている。
図表1 日本のモバイルSNS市場規模予測(2009年→2012年) |
また、「端末+通信サービス+アプリ課金市場」を合計した、国内の“iPhone経済圏”は、2012年度に約8800億円規模となる見込みだという。2009年度のiPhone経済圏の規模は約1200億円。
ただし、このうちアプリ課金市場は約5%の423億円規模にとどまる。その理由として挙げられるのは、iPhoneアプリに対するアップルの見方だという。情報流通ビジネス研究所ではiPhoneアプリについて、「iPhoneの新バージョンの革新性を保つため、新規性のあるアプリケーションを次々と露出することで、デベロッパー間の競争を促してiPhone端末を売り、通信サービス収入を生み出す『プロモーション・ツール』という位置付けになっている」と指摘。このことはサードパーティのデベロッパーにとって、「常に無料・低単価の新規アプリが自社既存アプリの地位を脅かし、実質的に追加課金・継続課金の機会が奪われること」を意味するという。
図表2 国内iPhone経済圏の推定市場規模と予測(2009年度→2012年度) |