フォーティネットジャパンは2015年10月20日、無線LANソリューションのポートフォリオ拡充を発表した。
まずは「FortiCloud AP Network」で、これは無線LANコントローラ機能をクラウドで提供するサービスだ。クラウド型の無線LANコントローラは今や珍しくないが、FortiCloudの特色はすべての機能が無料な点にある。
同社の無線LAN APを購入したユーザーであれば、「いくらAPや拠点を追加しても無料。認証サーバーやログ機能などもすべて無償で利用できる」と同社プロダクトマーケティング部 シニアネットワークセキュリティアーキテクトの田中愁子氏は説明した。
FortiCloudの管理画面。ちなみにFortiCloudはマルチテナントにも対応。このため、通信事業者やSIerなどがマネージド無線LANサービスを提供する際にも活用できる |
フォーティネットは従来、無線LANコントローラ機能を次の2つのかたちで提供していた。1つは、主力製品であるUTM「FortiGate」の1機能として。FortiGateユーザーなら、無線LANコントローラを別途用意する必要がないことが、同社の無線LANソリューションの大きな訴求ポイントの1つだった。また、2つめは「FortiWiFi」で、これは無線LANコントローラ一体型のアクセスポイントである。
つまり、無線LANコントローラを使って、複数のAPを集中管理したい場合、FortiGateあるいはFortiWiFiの導入が従来は必要だった。それがFortiCloudの登場によって、同社の無線LAN APを購入するだけで、ユーザーは集中管理型の無線LAN環境を実現できるようになった。無線LANコントローラを無償提供することで、「予算はないが、管理負荷は抑えたい」小中学校や企業などのニーズに応えたい考えだ。
フォーティネットの無線LANポートフォリオ |
FortiCloudは日本語にも対応し、すでに提供が始まっているが、2016年第2四半期(4~6月)には日本企業特有の“マニュアル文化”に対応した「日本専用サーバ」もスタートする予定だ。
FortiCloudはクラウドサービスなので、機能追加やGUIの変更が随時行われていく。これで困るのは、設定方法などを記したマニュアルを作り、これに従って運用を行っている企業。そこで日本専用サーバでは、バージョンアップを一定期間ごとに実施することで、マニュアルでの運用をやりやすくする。
日本専用サーバと通常版であるグローバルサーバのどちらを利用するかは、ユーザー側で選択できる。