8月から新しい会計年度が始まっているシスコシステムズ。毎年この時期に新年度の事業戦略説明会を開催しているが、今年はこの5月に就任した鈴木みゆき社長がシスコジャパンの2016年度の戦略を説明した。
「お客様の率直な意見をうかがい、ご意見・ご要望にお応えしていくことが経営の原点」と語る鈴木氏――。社長に就任して以来、「お客様やパートナー企業にお目にかかることを最優先にして、これまで170社、350名近くの方にお会いしてきた」という鈴木氏が掲げた重点戦略は次の3つだ。
2016年度のシスコジャパンの重点戦略
日本固有のニーズに応えるまずは「日本市場により根ざした事業展開」である。これについては、すでにその第一弾として9月16日、日本独自の中小企業向けブランド「Cisco Start」の立ち上げが発表されている(関連記事→ https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/4158/Default.aspx)。
鈴木社長は、「日本のお客様固有の要望に応えていくことで、シスコが支援できる領域を拡大していきたい」と、今後もグローバルにフィードバックしながら、日本固有のニーズに合ったソリューションを開発・提供していく方針を明らかにした。
日本市場に根ざした事業展開を進めていくというシスコ。その第一弾として中小企業向けの新ブランドを立ち上げている |
IoEやセキュリティなどで顧客のデジタルビジネスを支援2つめの重点戦略は、「お客様のデジタルビジネス支援」だ。IoE(Internet of Everything)、セキュリティ、次世代サービスプロバイダーをキーワードに挙げたうえで、「デジタル時代の最も戦略的なパートナーになることを目指している」とした。
これら3つのキーワード個々については、担当役員がそれぞれ説明した。IoEに関して説明したのは、専務執行役員の鈴木和洋氏。
昨年、「10数年ぶりに日本における資本活動を再開」(鈴木氏)したシスコ。さらに、東芝とのアライアンスや京都府とのスマートシティに関する協定締結などを行ってきたが、今年度も戦略的提携や資本参加を通じてIoEエコシステムの強化していくとのこと。
シスコジャパンの2016年度のIoE戦略 |
特に力を入れる分野は製造業だ。
鈴木氏は「日本の製造業の現場には、非常に優れたソリューションを持っている企業がたくさんいる。モノづくりの国、日本に対するグローバルからの期待も高い」と語り、製造業向けのIoEソリューションをシスコジャパンがリードしていく意気込みを見せた。