シスコシステムズは2025年7月18日、米国シスコと国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が、サイバーセキュリティに関する多様な研究協力を目的とした研究協力覚書(MOU)を2025年に再締結したことを発表した。2017年に締結した既存のMOUを更新したものであり、技術環境の進展を踏まえて、新たな分野での協力関係の拡大を目的としている。
(左から)情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 研究所長 井上 大介氏、
情報通信研究機構 理事 矢野 博之氏、
シスコシステムズ シニアバイスプレジデント兼グローバルイノベーションオフィサー Guy Diedrich氏、
シスコシステムズ 社長執行役員 濱田 義之氏
シスコとNICTは2017年に人材交流、知識の共有、ワークショップの開催、および共同研究の可能性の探求を通じて、世界のコンピューティング環境のセキュリティ強化に向けた共同の取り組みについて研究協力覚書を締結。両者は政府機関、産業界など社会全体をサイバーセキュリティの多様な脅威から保護するための方策など、幅広い分野での研究連携を進めてきた。
しかし、技術環境の進歩、新たなサイバー上の脅威の増加といった情勢の変化に伴い、両者は現覚書に基づく協力の発展について協議し、現覚書に記載された協力分野に新たな分野を追加することについて合意に至ったという。
従来からの人材交流や情報共有に加えて、以下の取り組みが新たに盛り込まれた。
●両者の従業員またはスタッフによる相互派遣を含む人材交流
●最新のサイバーセキュリティの脅威およびインシデント分析を通じた専門知識、情報の交換・共有
●共同研究機会の探求
・シスコが提供するネットワーキングアカデミーを含むサイバーセキュリティリソース開発プログラムを NICT のサイバーセキュリティネクサス(CYNEX)と共有
・NICT のAI セキュリティ研究センター(CREATE)との間で、AI セキュリティ関連技術に関する共同研究と知見の交換