NTTコミュニケーションズは今年4月、日本マイクロソフトのSkype for Businessをクラウド型で提供する「Arcstar UCaaS Microsoftタイプ」を開始した。Office 365で提供されているSkype for Business Onlineとの違いは、NTTコムの閉域網で使えること、外線電話機能(PBX機能)も含めてクラウド型で利用できることだ。また、図表のような多様なサービス、保守サポートと合わせて一元的に提供できる点も大きな売りとなっている。
それ以前から販売してきた「Arcstar UCaaS Ciscoタイプ」と合わせて強力なラインナップが揃ったことで、「販売は堅調。今年度は対前年度比2倍の売上を見込んでいる」と、ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部 UCaaS&Conferencing PT 主査の藤田悠基氏は話す。
図表 「Arcstar UCaaS」と組み合わせ可能なサービス |
*はCiscoタイプのみの提供 |
同氏によれば、UCaaSの商談では2つの傾向が見られるという。
1つは、Ciscoタイプとモバイル、FMCとの連携だ。スマートフォン向けの050IP電話アプリ「050 plus for Biz」や、携帯電話事業者のFMCサービスとUCaaSを連携させた「固定電話とモバイルの融合提案の引き合いが非常に増えている」(藤田氏)。
一方、Microsoftタイプについては、Office 365やExchange等を利用しているユーザーが、それらとUC基盤の統合を目的として導入を検討するケースが多いようだ。Ciscoタイプだけだった昨年度までは、PBX更改に伴う導入検討が多かったが、Microsoftタイプによって「業務アプリケーションとの連携」という新たな切り口ができたのだ。
そのMicrosoftタイプの提案に関わる担当課長の梶木保宏氏は、「リリース後の3カ月ほどで想定を超える引き合いがあり、そのうち半数近くが従業員1万人を超える大企業だ」と手応えを語る。PBXからMicrosoftタイプへの移行を検討する大企業も少なくない状況で、電話も含めてコミュニケーション/コラボレーション基盤をすべてクラウドに移行させることを検討する企業も出てきているという。
NTTコム側の想定よりも早く「お客様はすでに動き出している」と梶木氏は話す。