「何でも来い」
「実際にOCSを運用してみて、拡張性こそが最大のメリットだと感じた」と大蔵氏は語る。
電話機のみならず「Web会議が必要になっても、Webカメラの追加だけで始められる」など、社員の要望にすぐに応えられる。また、公開されているAPI を利用してツールの開発やカスタマイズが可能な点もメリットだ。社員には座席表を見て電話をかける習慣が根づいているため、PC画面上の座席表にプレゼンスを表示し、そこからクリック操作で電話発信できるツールを開発する予定だという。
そのほかにも、PCとネットワークさえあれば社外でも内線が利用可能だったりと、ワークスタイルの幅は大きく広がる。モバイルワークや在宅勤務環境を整え るのも、会議システムを導入するのも、ハードウェアベースの環境に比べて低コストかつスピーディに実現できる点を、大蔵氏は大きく評価している。
「当社の平均年齢は27歳で、これから出産期を迎える女性社員も多いが、育児休暇中もスキルを落とさずに業務に関わってもらえる環境も容易に実現できる。 さまざまな要望に対応できるインフラを整えた今は、『何でも来い』という心境」と同氏。成長企業ならではのニーズにOCS2007がしっかりと応えてい る。
小さく産んで大きく育てる
スタートトゥデイと前回紹介したアンリツの2社の取り組みはいずれも、最初からユニファイドコミュニケーション(UC)を想定してスタートしたものではない。Web会議の導入をきっかけにUCと“接触”したアンリツは、当初見込んだ出張費削減以上の成果を引き出した。スタートトゥデイは電話の増設・移設コストという課題を解消するためのIP電話に、ソフトウェアベースのOCSを選んだ。それにより、多様なワークスタイルを実現できるコミュニケーションインフラを手に入れた。
コミュニケーション環境の改善、ワークスタイルの変革というと、多大な投資を伴うプロジェクトを想像しがちだが、小さく始め、大きな成果を上げるための入り口は、実は身近なところにもある。この2つの事例は、それを示す好例と言っていいだろう。
[Part1] 【アンリツ】口コミで広がるユニファイドコミュニケーションの輪
[Part3] 【帝京大学医学部附属病院】デュアル端末でモバイルUC