内線ブロードバンド化のメリットを生かしたメディアIP電話機
ビジネスホンにおける、もう1つの潮流は、内線ブロードバンド化である。しかし、宇津木氏はその現状について、「広帯域になったから何ができるのか。『IP電話は配線がただ変わっただけではないか』とはよく言われるが、ビジネスホンはブロードバンド化を生かしきれていないと思っている」と率直に語る。
だが、もちろん手をこまねいているわけではない。内線ブロードバンド化に対する1つの“解答”として、NTT東日本は昨年秋から「メディアIP電話機」を提供し始めた。「音声とインターネットを融合した端末」と宇津木氏は紹介する。
メディアIP電話機の概要 |
Android OSを採用したメディアIP電話機は、7インチのタッチパネルディスプレイを搭載し、スマートデバイスのような直感的操作が可能。「Androidベースなので、Webとの相性が非常にいい。PCを使わずとも手軽にWebブラウジングが可能で、クラウドやインターネットアプリとの連動も行える」。カメラも内蔵しており、高品質のビデオ通話も可能だ。
アプリの一例として紹介されたのは、WEBアドレス帳ボックス。プレゼンス(在席確認)機能付きのアドレス帳アプリが標準で用意されている。また、プログラマブルという特徴を生かし、受付アプリも内蔵している。メディアIP電話機をオフィスの受付に設置すれば、簡易に受付システムを実現可能だ。
さらに宇津木氏は「現在はまだ電話機能の側面が大きいが、こうしたプログラマブルな面やブロードバンド対応という利点を生かし、様々な用途との連携を検討している」とし、簡易CTI、メッセンジャーアプリを使った業務連絡、カメラ機能を活用したセキュリティシステム連動、着信表示盤などの用途について、具体的に検討していると話した、
そして、「今後もNTT東日本は、時代の変化に合わせ、最新の技術を取り入れたシステムを提供できるよう努力していく」と語り、講演を締めくくった。