KDDIが新たに提供開始する「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」(KDDI WVS 2)について、同社 執行役員常務 ソリューション事業本部長の東海林崇氏は、「第3のプラットフォーム」時代の広域イントラネットサービスと紹介した。
第3のプラットフォームとは、IDCが提唱している概念。第1のプラットフォームはメインフレーム、第2はクライアント-サーバー、そして現在加速しているのが「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」の4要素で構成される第3のプラットフォームへの移行だ。
この第3のプラットフォームへのシフトに代表されるように、ITの世界は大きく進化しているが、「いわゆる固定系のイントラネットは置き去りにされている。いろいろと工夫はしてきたが、ネットワークだけが大きな進化を遂げていない」と東海林氏。そこで、KDDIがいよいよ投入するのがWVS 2だ。
WVS 2の主な特徴 |
広域イントラネットにセキュリティアプライアンスの機能を吸収
KDDIが現行のWVSの提供を始めた2009年当時は、各拠点に分散配置されたサーバーを、データセンターに集約する「サーバーコンソリデーション」がトレンド。契約帯域に関係なく、データセンターとはインターフェースの最大速度で通信できる「トラフィック・フリー」機能を備えたWVSは大きな注目を集め、数多くの企業が導入した。
では、第3のプラットフォームの時代に対応すべく、WVS 2はどのような進化を遂げたのだろうか。
「お客様のニーズは明らかだ。クラウドを使いたい、しかもプライベートクラウドだけではなく、AWSやOffice 365のようなパブリッククラウドも使いたい。さらに、スマートデバイスでもっとビジネスをスピードアップしたい。しかし、IT管理者の視点からみると、クラウドやスマートデバイスへの対応を進めると、運用負荷は増えるし、情報漏えいの不安も増す」
東海林氏はユーザー企業のニーズについて、こう指摘したうえで、次のように述べた。「そこで私どもの出した答えが、広域イントラネットにセキュリティ機能を持たせること。いろいろな拠点にファイアウォールを置くのではなく、網側にセキュリティ機能を吸収してしまえば、かなり楽になる」
WVS 2では、ファイアウォールやIPS/IDS、URLフィルタリング、メールアンチウィルス、UTM、NATといった従来、ユーザー企業宅内にアプライアンスを設置して実現していたセキュリティ機能を、網側に実装してクラウド型サービスとして提供する。
WVS 2のセキュリティサービスの提供イメージ |