O3プロジェクトシンポジウム2014講演レポート[後編]キャリア広域網のイノベーションを“農場型”で目指すO3プロジェクト

通信事業者の広域ネットワークのSDN化に取り組むO3プロジェクト。前編では、なぜ広域ネットワークのSDN化が求められているのか――その背景を紹介したが、後半ではO3プロジェクトのこれまでの具体的成果を取り上げる。

「例えば、今までVPNを張るのに1カ月かかっていたところを、シームレスにつなぎ合わせる。そういった世界をダイナミックに実現していく」(NEC 情報・ナレッジ研究所長代理の岩田淳氏)

NEC、NTT、NTTコミュニケーションズ、富士通、日立製作所の5社による共同研究プロジェクト「O3プロジェクト」は、広域ネットワークのSDN化に取り組んでいるが、3つの“O”をコンセプトに研究開発を進めているという。

1つめのOは、Open(オープン性)だ。開発した成果はすべて公開する方針で、これまでの成果については2014年度中の公開を予定している。2つめはOrganic(中立性・有機的)だ。中立的な立場で活動していくと同時に、複数の技術を有機的につないでいこうといった意味が込められている。そして、3つめのOは、Optimum(最適化)。広域ネットワークのコスト、品質、性能の最適化を目指す。

O3プロジェクトが目指す農場型のオープンイノベーション
O3プロジェクトが目指す農場型のオープンイノベーション

岩田氏は、O3プロジェクトのあるべき姿を「農場」にたとえる。O3プロジェクトは、様々なアイデアやイノベーションを実らせるのに必要な農場と農機をオープンに提供。国内外の企業や大学などが、このオープンイノベーション基盤を活用し、自由に新事業を創出するというイメージだ。O3プロジェクトの成果は、オープンソースソフトウェアとして提供される予定である。

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