グーグルは2012年7月10日、企業向けサービス「Google Maps Coordinate」の日本での提供を開始したと発表した。
これは、現場作業員や配達員、外回りの営業マンなど、離れた場所で働く従業員の居場所を可視化できるサービスだ。Android搭載のスマートフォン/タブレットにアプリケーションをダウンロードすることで、その従業員の現在地をチーム内でリアルタイムに共有できるようになる。なお、インドアGoogle Mapsとも連携し、屋内にも対応するという。
7月10日から提供が始まった「Google Maps Coodinate」。アイコンの色で「現場に移動中」などのステータスもひと目で分かるようになっている |
Google Maps Coordinate担当シニアプロダクトマネージャーであるダン・チュウ氏が紹介した同サービスのユースケースの一例は次のようなものだ。送電線にトラブルが発生し、その地区の多くの世帯で停電が発生。すぐに現場に作業員を急行させる必要があるが、Google Maps Coordinateがあれば、Google Maps上で現場の一番近くにいるスタッフを見つけて指示を出すことができる。
また、単に居場所を可視化するだけでなく、ジョブを作成して従業員に割り当てたり、現場到着までにかかった時間を把握したり、過去の位置情報の履歴を見たり、基幹システムと連携させたりといったことが可能だ。「人材とアセットの最適な活用が可能になる」とグローバルGEOセールス統括責任者のタルーン・バハナガー氏はアピールした。
米グーグル グローバルGEOセールス統括責任者 タルーン・バハナガー氏 | 米グーグル Google Maps Coodinate担当シニアプロダクトマネージャー ダン・チュウ氏 |
従業員の立場からすると、プライバシーの問題が気になるところだが、「グーグルにとってプライバシーの問題は一番のコア」とチュウ氏は十分な配慮をしていると説明した。具体的には従業員側で手動で位置情報の共有を停止できるほか、就業時間を終えたら自動で共有を停止するためのタイマー機能なども備えている。
手動やタイマー設定で位置情報の共有をストップさせるプライバシー機能も搭載 |
公共インフラや流通・配送、セキュリティ、サポートサービスなど、業務中の従業員の現在地をリアルタイムで可視化して業務改善を図っている企業は従来から存在するが、多くの企業にとって敷居が高かったことも事実。しかし、Android対応のGoogle Mapsの1機能として登場したことで、今後はより身近なソリューションになりそうだ。