ワイヤレスジャパン×WTP 2024「AHPCブース来場者は昨年の1.5倍」 商用化後、注目急増のWi-Fi HaLowとWi-Fi 7

Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)は1kmの長距離と、映像も送れる大容量伝送で、河川監視や災害対策などの公共系用途への期待が高い。しかし、Wi-Biz/AHPC合同ブースに展示されたバラエティ豊かな対応製品からは、Wi-Fi HaLowの可能性の広がりを感じることができる。

無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)と802.11ah推進協議会(AHPC)は昨年に引き続き合同でブースを出展しているが、今年の「ワイヤレスジャパン×WTP 2024」では小間数を倍にして多くの来場者を迎えている。

無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)と802.11ah推進協議会(AHPC)の合同ブース

無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)と802.11ah推進協議会(AHPC)の合同ブース

この拡大の背景にあるのは、両団体が推進してきた規格の商用化の進展だ。

製品化進んだWi-Fi 7ルーター 民生用で10Gbps超えも

まず、Wi-Fi 7だ。ブースにはWi-Biz会員企業が製造・販売しているWi-Fi 7対応ルーターが、業務用・民生用合わせて6機種展示されている。「去年の展示は1機しかなかった」とWi-Biz 代表理事の北條博史氏が話すように、この1年で製品化が大きく進んだ。

バッファローのフラッグシップ機「WXR18000BEP10」は驚異的とも言える10Gbps超えを記録。今後はWi-Fi 7のポテンシャルを生かす、マルチリンク対応端末の普及に期待が掛かる。

バッファロー「WXR18000BEP10」など、Wi-Biz会員企業のWi-Fi 7ルーター

バッファロー「WXR18000BEP10」など、Wi-Biz会員企業のWi-Fi 7ルーター

また、今年元日に発生した能登半島地震では、Wi-Bizが普及・促進を担う災害用の統一SSID「00000JAPAN」が発動した。当日21時には供用が開始され、4月中旬までの長期間にわたり提供され被災地の通信環境確保に貢献したが、一方で「能登半島はアクセスポイントが少なく、停電のためサービスできないところもあった」と北條氏は振り返る。ブースでは00000JAPANの取り組みも紹介されている。

Matter連携も期待 ユースケース広がり注目増すWi-Fi HaLow

そして、AHPCがその制度化・普及に向け動いてきたIEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)は、2022年9月に商用化された。AHPCブースには海外企業を含む8社が出展し、こちらも昨年と比較し展示製品を大きく増やしている(そのうちの1社であるWi-Fi HaLowチップベンダー・NEWRACOMについてはこちら)。

AHPC マーケティングTGメンバーの森田基康氏は、「ブース全体では去年の1.1倍、AHPCブースの来場者は去年の1.5倍になった」と喜びを隠さない。会期1日目・2日目に行われたAHPC会員社によるセミナーも連日立ち見が出る盛況ぶりだった。「Wi-Fi HaLowを知らないという人はほとんどいない。実際の導入に関心がある人が見に来ている」と森田氏。

出展製品はルーターのほかカメラ、センサーなど、Wi-Fi HaLowが得意とするIoT用途に適したものが目に付くが、「既存のイーサネットやWi-Fiなどに対応したゲートウェイ機器も多い」と森田氏は話す。

Wi-Fi HaLow対応ゲートウェイの例(中央)。インジケーターから多くの通信規格に対応していることがわかる

Wi-Fi HaLow対応ゲートウェイの例(中央)。インジケーターから多くの通信規格に対応していることがわかる

このようなゲートウェイを利用することで、既設のセンサー機器をWi-Fi HaLow化することができる。すでに整備した環境に大きく手を入れることなく、1kmもの長距離、映像も送れる大容量伝送が可能なWi-Fi HaLowの性能を活用できるというわけだ。

そのWi-Fi HaLowの利用シーンとして、河川監視のニーズはやはり大きい。河川監視ではカメラがどれだけ鮮明な映像を捉えられるかが実運用に際して重要になるが、そこで威力を発揮しそうなのがソニーセミコンダクタソリューションズが開発するマイコンボード「Spresense」だ。120dBのHDRイメージセンサーが、夜間でも日中と見まがうばかりの明るい映像を撮影する。SpresenseはWi-Fi HaLowに対応しており、古野電気製の河川敷監視カメラ「FWC」に組み込まれているほか、太陽光発電と組み合わせて無給電無線カメラシステムを構築することも可能だ。

ソニーセミコンダクターソリューションズのマイコンボード「Spresense」

ソニーセミコンダクターソリューションズのマイコンボード「Spresense」

各社のユニークな出展製品からは、Wi-Fi HaLowのユースケースの広がりを実感できる。中国・上海で創業したSUNMIは、タブレット端末やレシートプリンターを出展。物流・流通業界での活用や、飲食オーダーでの利用を想定しており、こうしたシーンでは「Wi-Fi HaLowが(既存の)Wi-Fiに取って代わったり、棲み分けができる」(森田氏)。

バラエティ豊かなWi-Fi HaLow対応機器。下段中央の箱形筐体がSUNMI製のレシートプリンター

バラエティ豊かなWi-Fi HaLow対応機器。下段中央の箱形筐体がSUNMI製のレシートプリンター

また、ビーマップは台湾・GoodWay社が開発するMatter対応の在室センサーや、“調理放置警報センサー”を展示。スマートホームの共通規格であるMatterと、マルチベンダーに対応したWi-Fi HaLowは大変相性がよく、国内におけるホームIoTの本格普及にもWi-Fi HaLowが活躍しそうだ。

ビーマップは台湾・GoodWay製の調理放置警報センサー(左から2個目)などMatter対応製品も展示

ビーマップは台湾・GoodWay製の調理放置警報センサー(左から2個目)などMatter対応製品も展示

AHPCはWi-Fi HaLowの国際的な展開を見据え、台湾の業界団体とアライアンスを組んでいる。各出展者ブースに設置されたQRコードを撮影すると、台湾メーカーはじめ日本を含む各国メーカーが開発するWi-Fi HaLow製品がまとめられたブックレットが入手できるという。出展製品とともに、ぜひこちらもチェックしてほしい。

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