エイチ・シー・ネットワークスは2023年10月25日、IEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)を用いた映像伝送の実証試験を行い、370メートル以上の広範囲でカメラ映像の伝送に成功したと発表した。
11ahは920MHz帯を用いるため、長距離伝送と回り込み特性に優れることが特徴だ(参考記事:11ahは「多端末+上り」で活かす LPWA版Wi-Fiの実力と使いどころ|BUSINESS NETWORK)。今回の実証実験ではフルノシステムズ製のIoTゲートウェイ対応11ahアクセスポイント「ACERA 330」を選定した。タワークレーンから地上までの400メートルの距離を想定し、カメラ映像を伝送する実験を行った。
実験の構成
実験の結果、実効距離373.11メートルでカメラ映像が伝送されたという。また、無線経路にトラックやフォークリフトなどの障壁がある場合でも、電波の回り込みによりカメラ映像が維持できることも確認したとしている。
今後は、通信インフラの拡充が求められる建設現場において、タワークレーンから無線電波を垂直出力し、現場の全景を捉える用途を想定し、検証を継続する予定とのことだ。