<連載>SX/GX最前線“新スマート物流”が拓く未来 陸送とドローンの組み合わせでSX/GXに貢献

SX/GXへの対応が迫られている物流業界。その取り組みは緒に就いたばかりだが、陸送とドローンを組み合わせた“新スマート物流”や温室効果ガス(GHG)見える化ツールなどのソリューションも登場している。

物流業界に重くのしかかる「2024年問題」。ドライバーの労働時間の上限設定に伴い、人手不足の深刻化が懸念されている問題だ。これを受け、休日配送や翌日配送を廃止するなど、配送体制を見直す物流事業者も散見される。経営上採算が取れない「配達困難地域」も増加傾向にあり、地方部の物流ネットワーク維持は喫緊の課題だ。

また、国土交通省によると、2021年度における日本の温室効果ガス(GHG)排出量(10億6400万トン)のうち、物流業からの排出量(1億8500万トン)は17.4%を占めており、GX(グリーントランスフォーメーション)の観点でも、物流事業者が取り組むべき課題は山積している。

そんな物流業界の窮地を救う一手となり得るのが、「新スマート物流」だ。トラックなどの陸上配送とドローンを組み合わせ、省人化や脱炭素化を推進していくという“マルチモーダル”の考え方だ。「ドローンは『脱炭素』という文脈で注目されているのはもちろんだが、無人かつ空という『未開の地』を使えるため、新しい配送手段として有効だと考えている」と全国新スマート物流推進協議会 理事の田路圭輔氏はドローン活用の利点を説明する。

全国新スマート物流推進協議会 理事 田路圭輔氏

全国新スマート物流推進協議会 理事 田路圭輔氏

ドローンは“ワンオーダー・ワンデリバリー”に適している。例えば、配達に往復1時間かかるエリアに、トラックでたった1個の荷物を運ぶのは効率が悪い。「1個の荷物を早く運ぶというピストン輸送が、ドローンは得意だ」(田路氏)。

同協議会は今年7月、「加速する新スマート物流の取り組みと今後の可能性」をテーマに、シンポジウムを開催した。同シンポジウムでは、デジタル大臣の河野太郎氏や、国土交通省自動車局長の鶴田浩久氏が登壇し、新スマート物流の重要性を訴えた。国としても新スマート物流の推進に注力しようという意思の表れだ。

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