ジュニパーネットワークスは2023年6月5日、同社のMist AIを使った仮想ネットワークアシスタント「Marvis(マービス)に大規模言語モデル(LLM)機能を追加したと発表した。ChatGPTをMarvisに統合し、Mistから大規模言語モデルを使用して、公開されている情報へ簡単にアクセスできる。
Marvisは、自然言語処理によって事前のトラブルシューティングや予測行動を可能にする仮想ネットワークアシスタントであり、2018年6月に対話型インターフェースを導入した。今回のLLM機能の追加により、特に文書化やサポートに関して、より人間に近い対話機能を提供できるようになったという。
ChatGPTで拡張されたMarvisの対話型インターフェース(ジュニパーネットワークス Webサイトの動画より)
具体的には、MarvisはLLM APIを活用して、技術文書やその他の一般公開されている過去の知識ベースの情報からユーザーからの問い合わせに応答する。例えば、Marvisに「アクセスポイントのLEDライトは何を意味していますか?」「ジュニパーのキャンパスファブリックの設定手順を教えてください」等の質問をすると、関連文書のリストに加えて、ChatGPTのスタイルで正確かつ直接的な回答を受け取ることができる。
ジュニパーは合わせて、ビデオ会議のZoomユーザーのデータをMist AIで活用できるようにしたことも発表した。
Mist AIはルーターやスイッチ、ファイアウォール、アクセスポイントから得られるテレメトリー情報やユーザー情報等を使って、ユーザーエクスペリエンスのパフェ―マンスを予測している。この深層学習モデルにおいて、Zoomクラウドから得られるユーザーエクスペリエンスデータとネットワークのデータを結合。ビデオ会議で発生する問題の根本原因を迅速に特定できるようになった。
また、Marvisのユーザーは対話型インターフェイスを活用することで、「ジョン・スミスのZoom会議は何が問題だったのか?」「Zoomの使用感が良くなかったユーザー一覧」など、簡単な言語クエリでZoomデータのインサイトにアクセスできるようになるという。