UQコミュニケーションズは2011年7月6日、WiMAX 2による100Mbps超の無線通信のフィールドテストに成功したと発表、試験環境を報道関係者に公開した。
WiMAX 2は、今年3月にIEEEで標準化されたWiMAXの次世代規格。帯域幅の拡大やMIMOの高度化で下り最大330Mbpsの高速データ通信に対応、併せて周波数利用効率の向上が図られる。WiMAXでは120km/h止まりの高速移動性能も350km/hに向上する。UQコムは昨年10月に開かれたCEATEC JAPAN 2010で、ケーブル接続による4×4MIMO/搬送波幅40MHz幅のシステムを構築し、下り330Mbps、上り110Mbpsのデータ通信を行うデモを一般公開している。
今回のテストは総務省から実験局免許を取得、同社が現在利用している帯域に隣接する2.5GHz帯20MHz幅の帯域を使って行われた。この帯域はUQコムが昨年の総務省のヒアリングで割当を希望していた「旧モバイル放送跡地」の一部だ。MIMOは昨年のデモと同様の4×4。周波数帯域が半分となるため、最大通信速度は下り165Mbps、上り55Mbpsとなる。試験は、KDDI大手町ビル(東京都千代田区)の23階に基地局装置と映像(VOD)の送出装置を設置、屋上のアンテナから大型バスに設置されたWiMAX端末に映像を伝送する形で行われた。
WiMAX2のスペック |
報道関係者に公開されたデモでは、大手町ビル周辺を約10分間走行し、実際に静止状態では下り140Mbps超、走行時でも100Mbpsを超える通信速度が出ることが示された。
静止時は140Mbpsを超える速度を記録 |
UQコムでは「都心部では200~300mおきにWiMAXの基地局が整備されているので、実際のネットワークに導入した場合でも十分に100Mbps程度の通信速度が出せると考えられる」としている。
フィールドテストに用いられた車両。屋根には4対のアンテナが装着されている |