<特集>IOWN時代、はじまる渋谷は“IOWNバレー”へ 自治体としてIOWN GFに唯一参画

渋谷区は自治体として唯一、APN IOWN1.0のパートナーに名を連ねた。区内で進む大規模再開発地域にIOWNを導入し、スタートアップ支援をより推進する考えだ。IOWNが実現する未来のSHIBUYAとは。

渋谷区 澤田伸副区長

渋谷区 澤田伸副区長

3月2日に開かれた「IOWN構想実現に向けたAPN IOWN1.0提供開始に伴う説明会」で、NTTの川添雄彦代表取締役副社長から、APN IOWNを有償で利用する12のパートナー企業・団体が紹介された(図表1)。

大手IT企業や研究機関が名を連ねる中、ただ1つの自治体として名前があったのが渋谷区だ。渋谷区の澤田伸副区長は、「渋谷区はIOWNとコラボレーションするために、2年前からNTTグループと対話をしてきた」と語る。

IOWN Global Forumには2022年7月に参画し、今年3月現在も唯一の公共・非営利組織メンバーだ。

図表1 IOWN APNを利用するパートナー企業・団体

図表1 IOWN APNを利用するパートナー企業・団体

渋谷が日本のIT 産業の集積地であることは言うまでもないだろう。1998年のビットバレー構想から20年以上を経て、当時から本社を構えるサイバーエージェント、渋谷ストリームに日本本社が入居するGoogleなどの大手企業のほか、拠点を置くスタートアップ企業は2000を超えるまでに至っている。

現在、区はスタートアップ支援にさらに力を入れている。今年2月、東急、東急不動産、GMOインターネットグループとともに、「シブヤスタートアップス株式会社」を設立した。渋谷に国際的なスタートアップのコミュニティを作り出すことを目的としている。

官民連携した取り組みの背景には、日本の産業の再興にはスタートアップの力が必要不可欠だという認識がある。「国の成長のためには、民の力が結集しなければならない。我々官公庁は、その背中をどう押せるかを考えるべき」と澤田氏は力を込める。

この考えはまた、海外企業の拠点誘致にもつながる。スタートアップがグローバル企業との競争や協働を通じ、国際市場で勝てるように育成するという方針を持っているからだ。

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