2022年度決算について説明するNEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田隆之氏
NECは4月28日、2022年度決算に関する説明会を行った。売上収益は3兆3130億円で前年度比9.9%増、調整後営業利益は2055億円で同345億円のプラスだった。また、調整後当期利益は1386億円で同287億円のマイナスだったが、税金費用の影響を除いた実質ベースでは増益だったという。
セグメント別に見ると、「ネットワークサービス」以外は増収増益を達成した。ネットワークサービスは、売上こそ前年度比6.2%増の5434億円だったが、営業利益については構造改革費用も響き、113億円減の241億円だった。
国内5Gインフラ市場は「保守的に見ざるを得ない」
「国内の通信事業者の投資抑制と海外の5G展開の遅れにより、グローバル5Gは想定よりビハインドしている」「市場の変化や競合の動きの中で今、厳しい戦いをしているのは事実」
NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田隆之氏は、ネットワークサービスセグメントの中核であるOpenRANなどのグローバル5G事業の現状について、このように述べた。
そうした中、「将来の収益性拡大のため」(森田氏)、稼働率の高い部門への人員の転換なども含めた構造改革や資産クリーンアップを2022年度に実行。2023年度は、そうした一過性の戦略的費用が減るほか、費用構造も適正化されることから、ネットワークサービスの売上は前年度比5.8%増の5750億円、営業利益は同179億円増の420億円の見込みだという。
NECの2023年度の業績予想
伸びを計画しているのは海外だ。「国内はかなり保守的に見ている」(森田氏)。国内通信事業者のARPU低迷、また5G投資はアクセス系が中心でコアへの投資ペースが4Gのときよりも遅く、「保守的に見ざるを得ない」という。