NECは2025年7月30日、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)の実現に向けて、光信号と電気信号を相互に変換するトランスポンダー「SpectralWave WX-T」をNTTから受注したと発表した。同製品は、IOWNの新たな情報通信基盤の1つとして、今後NTTの全国のネットワーク網に展開される予定。
トランスポンダー「SpectralWave WX-T」の外観
SpectralWave WX-Tは、IOWN Global Forumで提案されたOpen APNにおけるAPN-T(Open APNトランシーバ)に相当する。小型化・省電力を実現しており、局舎やエンドユーザー拠点(データセンターやオフィスビル群など)に設置され、基幹ネットワークとユーザーのデバイスをつなぐ処理を行う。
同製品は、通信ログのリアルタイム記録や事象の時間的追跡など、故障解析を支援する情報出力機能により、光区間の不具合を詳細に可視化することができる。これにより、サービスのダウンタイム削減とネットワークの信頼性の大幅な改善が可能だという。
また、汎用ハードウェアを活用したホワイトボックスアーキテクチャーを採用しており、キャリアグレードの品質を維持しながら調達の安定化を実現。同製品は、世界初のLバンド(1565nm~1625nm)対応ホワイトボックスソリューションで、データセンター市場などで求められるマルチバンド環境を柔軟に構築できるとしている。