ガートナージャパンは2025年7月30日、2026年における全世界の低軌道(LEO)衛星通信サービスに対するエンドユーザー支出が、2025年比で24.5%増の148億ドル(約2兆1885億円)に達する見通しを発表した。
LEO衛星通信サービスは、遠隔地や船舶・航空機、建設現場などでの一時的なブロードバンド利用を中心に拡大してきた。こうした用途において、2026年には法人向け支出が40.2%、個人向けが36.4%の増加になると予測している。このほか、IoT接続向けLEOサービスは32%、海事・航空用途は13.8%、ネットワークのレジリエンス向上を目的とした用途では7.7%の成長が見込まれている。
ガートナーによる世界におけるLEO衛星通信サービスのエンドユーザー支出の予測(単位:百万米ドル)
またガートナーは、グローバルなカバレッジを必要とするIoT接続や、LEO衛星との直接通信および非地上系ネットワーク(NTN)や5Gとの統合によるモバイルブロードバンドの補完、政府・防衛機関における重要インフラのバックホールといった領域で、新たなユースケースが拡大するとしている。
一方で、ガートナーのシニア ディレクター アナリストであるクラム・シャザド氏は、「一部の国における規制上の障壁や、特定地域での容量制約といった課題がある」と指摘。さらに、ローミングの制限や相互運用性の不足、ミッションクリティカルな海事用途に関する認証の未整備なども課題として挙げた。