楽天モバイル 代表取締役社長の矢澤俊介氏
国民共有の資源である電波の有効利用を促進するため、周波数の再割当制度がスタートする。
9月12日、その最大の注目点である楽天モバイルへのプラチナバンドの再割当をめぐって、総務省で「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース」の第11回会合が前回に引き続き公開形式で行われた(第10回会合に関する記事「楽天がプラチナバンドの1年以内の利用開始を要望「3社から5MHzずつ再割当」はこちら)。
既存3社から5MHzずつの合計15MHz×2の割当と1年以内の利用開始を前回会合で要望した楽天モバイルだが、既存3者は再割当には最長10年の移行期間が必要と主張した。これだけの移行期間が必要だとする根拠は、レピーター/フィルターの交換作業などにそれだけの時間を要することだ。
楽天モバイルは、全エリアで1年以内に利用開始できなくても、段階的移行が早期に可能なのであれば妥協できるとの趣旨の発言を前回していたが、今回も同様の発言を行った。
「我々も(妥協の)ポイントを見つけないといけない」「フィルターの交換はいらないという立場に我々は立っているが、フィルターが必要ということが証明されるのであれば致し方ない」「第一希望としては1年以内に(全エリアで)利用開始したいが、(エリアごとなどで段階的に移行していくのも)1つの案だと思っている」などと同社 代表取締役社長の矢澤俊介氏は話した。
こうした楽天モバイルの要望に対して、(1)東京や北海道といったエリアごとの段階的移行の場合、当該地域の工事リソースが逼迫すること、(2)東京などのエリアを細かく分けて移行を行う場合は干渉問題が発生することの2点をソフトバンク 渉外本部 副本部長 兼 電波政策統括室長の上村治氏は課題として指摘したが、NTTドコモとKDDIは一定の理解を示した。
楽天モバイルの矢澤社長は「次回、意見表明させていただきたい」と、段階的移行に関して、次の会合でさらなる具体的な考えを述べる意向を示した。