NTTの在り方は「機能分離」が適当――ICTタスクフォースが最終報告書に向け骨子案

ICTタスクフォースが「光の道」実現に向け、最終報告書の骨子案をまとめた。NTTの在り方については、「資本分離」「構造分離」には踏み込まず、「機能分離」が適当との見解を示した。

総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)の「過去の競争政策のレビュー部会」(第1部会)と「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」(第2部会)の合同部会は2010年11月22日、「光の道」構想の実現に向けた最終報告書の骨子案をまとめた。

第1部会と第2部会の合同部会は17回目を数えた

最大の焦点であるNTTの在り方については、「NTT東西のボトルネック設備保有部門について『機能分離』を行うことが、現時点においては、最も現実的かつ効果的と考えられるのではないか」とし、「資本分離(完全分社化)」「構造分離(グループ内分社化)」の2案は見送ることにした。また、ソフトバンクが提案している光アクセス会社構想については、「事業成立の可能性及びメタルから光へのマイグレーションに係る諸問題を踏まえると、不確実性が高いのではないか」との見解を示した。

NTT東西の組織形態の在り方について合同部会では、(1)設備競争、サービス競争の促進、(2)国民のアクセス権の保障、(3)グローバル競争への対応、(4)NTT株主への影響、(5)実現のための時間、コスト、(6)「光の道」整備促進、の6つの評価視点を整理し、それぞれについて考え方を示した。

いくつかを抜粋すると、(1)の設備競争については、「分離アクセス会社に光ファイバー整備について特別な役割を与える場合には、インフラ整備の独占化や設備競争の減退の可能性が高まるのではないか」と懸念を示した。

(4)のNTT株主の影響については、「分社化の程度が強まるほど、既存株主への影響は大きくなるのではないか」とした。

(5)の実現のための時間、コストについては、1999年のNTT再編時等の事例から、別会社創設の場合は「法案成立時点から2年程度の期間は必要となることが想定される。また、相応の会社分割コストも発生するものと想定されるのではないか」と述べた。

これらの観点を総合的に判断し、「現時点では『機能分離』が最も現実的かつ効果的」とした。

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