ローカル5Gと水中ドローンで海中を可視化! カキ養殖の生産性向上へ実証実験

ローカル5Gと水中ドローンを使って海中の状況を可視化する実証実験が、広島県江田島市で1月25日から行われている。養殖カキの生育に影響を与える付着生物や海底の堆積物の状況をリアルタイムで遠隔監視するとともに、環境データを基に養殖漁場環境を分析することで、生産低下に歯止めをかける狙いがある。

レイヤーズ・コンサルティング、NTTドコモ、NECネッツエスアイ、国立大学法人東京大学 大学院情報学環 中尾研究室は2021年1月27日、漁業分野におけるローカル5G等の技術的条件および利活用に関する調査検討について説明会を開催した。

これは、ローカル5G等を活用した地域課題解決を実現するため、総務省の「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の一環として実施するものだ。

実証体制のイメージ

漁業分野では、養殖カキのへい死による生産低下が課題となっており、養殖場の環境変化やカキと競合する付着生物などの影響低減に向け、海中の可視化や環境データの取得が重要となっている。

そこで1月25日から2月8日まで広島県江田島市で行われている実証実験では、①陸上からの水中ドローンの遠隔操作と海中の状況の可視化、②水中ドローンで取得した高精細映像と海面養殖場およびその周辺の環境データを組み合わせた養殖漁場の環境分析について検証しているところだ。

具体的には、水中ドローンのカメラで養殖カキの生育に影響を与える付着生物や海底の堆積物の状況を撮影し、ローカル5Gで高精細映像を伝送することで遠隔から監視するとともに、水中ドローンの遠隔操作を行う。

実証実験の概要

従来、海中の様子は潜水夫が潜って調べていたが、水中ドローンを用いることで海中の状況をリアルタイムに把握することが可能になる。また、「人的負担が軽減され労働環境が改善することで、カキの海面養殖における生産低下に歯止めがかけられる」とレイヤーズ・コンサルティング バイスマネージングディレクターの千葉尚志は述べた。

併せて、水中ドローンに搭載したセンサーで取得した海水の水温や塩分濃度、溶存酸素といった環境データにより養殖漁場環境を分析。カキのへい死の主な原因である貧酸素水塊の発生場所を特定し、その場所における高精細映像を基に、効果的な対策を迅速に検討・実施できるようになるという。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。