企業ネットワーク最前線

サイバー保険は日本企業にピッタリ――被害発覚!「まず稟議書」の愚も回避

文◎松本一郎(編集部) 2019.06.04

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

5年で3.5倍。今後、市場が急拡大すると見られているのが「サイバー保険」だ。日本のセキュリティ対策は「防御」に注力しがちだが、保険を活用したリスクマネジメントも今後は検討すべきだ。

 
「日本のサイバーセキュリティ対策は防御に偏りすぎている」。こう指摘するのはラックの武田一城氏だ。

リスクマネジメントの手法は図表1に示した4つの視点で考えることができる。すなわち(1)保険などを活用した他者への「リスクの移転」、(2)事業から撤退するなどの「リスクの回避」、(3)発生しても影響が小さいため許容する「リスクの保有」、(4)事故発生の確率を下げる「リスクの低減」である。

 

図表1 リスクの種類と考え方
図表1 リスクの種類と考え方


このうち、新しいファイアウォール(FW)を導入するといった防御策は、(4)リスクの低減にあたる。本来はこの4つの視点からリスクマネジメントを行う必要があるが、武田氏は日本のセキュリティ対策について「リスクをどうするかよりも、機能の高いセキュリティ製品を導入することばかりに注力してしまう傾向がある」と指摘する。

防御を高めるだけでは十分なリスクマネジメントにはならない。どうしても「万が一」は起こりうるからだ。

2011年、三菱重工がサイバー攻撃を受けた事件について、武田氏は「一般企業があれ以上のセキュリティ対策を実施するのは難しい」と話す。しかし実際には、標的型攻撃メールからウイルスが社内に広がった。

それでも日本企業は相変わらず防御に力を注ぐ傾向にあるという。ベネッセの個人情報流失事件については「管理者権限を持つSEによる悪意ある犯行だった。内部犯行を防ぐには製品の導入だけではなく、運用を含めて大幅に変える必要がある。ところがあのニュースの後、セキュリティ市場ではこのケースとは直接関係の無い防御のための製品も成長した」(武田氏)。

ラック サイバーセキュリティ・公共事業部 担当部長 武田一城氏
ラック サイバーセキュリティ・公共事業部 担当部長 武田一城氏


サイバーセキュリティは経営課題にしかし、最近ではこの傾向は変わりつつある。経済産業省が2016年に「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を策定したことをきっかけに、「セキュリティ対策は経営課題だという意識が広まった」(武田氏)ためだ。

武田氏は「インシデント対策をするCSIRTや、セキュリティ監視を行うSOCの利用が増えた。特に、CSIRTの構成員として、従来のITシステム部門だけでなく、経営陣と会話できるリスク管理部門のメンバーも参加するようになっている。これまでIT部門の責任とされてきたセキュリティ対策が組織全体で実行するものに変化してきた」と説明する。

このように経営課題としてサイバーセキュリティが認識され始めたなか、注目されている商品が「サイバー保険」なのである。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

waf2003
6g2003
sxgp2003

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】コロナ・5G・AI 
    ネットワークにいま起きていること、これから向かう先

●コロナ禍とインターネット ●Zoom Japan 佐賀氏インタビューコロナ後もWeb会議は定着」 ●仮想空間に「出社」する時代へ ●ベライゾンビジネスCEOインタビュー「5Gがすべてを変えていく」 ●5Gで実現する「周波数共用」●AIがネットワークトラブルを勝手に解決

[ビジネス最前線]ドコモのローカル5G構築支援策/ソフトバンクのNB-IoT戦略 [ソリューション特集]クラウドプロキシ/脆弱性診断 ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

e-Janネットワークス「明日からテレワーク」。そんな急なニーズにも安心・安全に応える

テレワークをすばやく全社展開できる「Splashtop for CACHATTO」

都築電気テレワークと健康経営の実践4年目
その知見をワンストップで提供

働き方改革を推進する都築電気がテレワークに最適なグループウェア!

アライドテレシスNWベンダーならではの脆弱性診断
セキュリティの第一歩はここから!

アライドテレシスなら簡単かつ安価に脆弱性診断ができる!

NTTコミュニケーションズ「ゼロトラストセキュリティ」へ
移行するための5つのポイント

脱・境界型セキュリティを図るための要点をNTT Comに聞いた。

IIJマルチクラウドへの備えはココから
「SaaSが遅い」問題を手軽に解消

Office 365等のSaaSが迫る企業NWの再設計にIIJのクラウドプロキシ!

ジュニパーネットワークスAIがUXを最大化するネットワーク
トラブル解決を自動運転で!

AIが自律的に障害対応するNWを
ジュニパーはすでに商用で安定稼働

レッドハット5G×コンテナ基盤×アプリを
エッジで自律運用

5G時代のNWインフラはエッジも自律運用できるクラウドネイティブへ

シスコシステムズいま知るべき5Gのセキュリティ脅威
大変革時代を「シスコはこう守る」

5G網は様々なサイバーリスクを内包する。シスコはどう対抗するのか。

ゼットスケーラーゼットスケーラーだからできる!
セキュリティとNWの脱・レガシー

オンプレミス非依存のセキュリティと、場所に囚われないNWアクセスを

NetskopeなぜNetskopeならテレワークが進むのか? 秘訣は一元制御にあり!

セキュリティが不安でテレワークが進まない。そんな悩みを簡単解消!

シエナシエナが800G光伝送のトビラ開く
1波長で400Gイーサ×2chを伝送

「800ギガが欲しい」。キャリアやクラウド事業者の声にいち早く応えた

リコーの「ITKeeper Meraki スマートサービス」テレワークは安定した接続環境から

一人情シスでも安心! テレワークを支える安定したネットワーク環境整備をリコーが支援

SigfoxLPWAの先頭集団を行くSigfox
約85万件の大規模導入も!

人口カバー率95%を超えたSigfox。最大の導入事例がニチガスだ。

丸文5G時代の差別化戦略を下支え!

5G時代到来でキャリア、クラウド事業者等が迫られているネットワーク変革の課題解決に注力する丸文

ハイテクインター2.5GHz帯プライベートLTEの
基地局を「100万円以下」で!

ハイテクインターは自営等BWA導入の全ステップをサポート

マクニカネットワークス脱純正トランシーバーで成功例続々
データセンター100G化に新選択肢

サードパーティ製の光トランシーバーでコスト抑制と自由度向上!

ZETAアライアンス“ビジネスになるLPWA”に101社が結集 市場創出に挑むZETA

弾みが付いてきた新興のLPWA規格、ZETA。その可能性を探った。

ガスミエールLPWAで安価にガス事業の効率化!

アズビル金門の「ガスミエール」でLPガス事業の業務効率化!LTE-Mにより遠隔から遮断・復帰も!

ドコモ・システムズNTTグループ23万人を支える
テレワークツール

伝統的な日本企業が作ったツールだから、かゆい所に手が届く!

WhatsUp Goldネットワーク監視に圧倒的使い勝手
安価な導入コストでも厚い支持

中小企業から通信キャリアまで、WhatsUp Goldが人気の理由とは?

MOVEit Transfer / MOVEit Automationデータ保護新時代のファイル転送
HIPAA、GDPRなど各種規制に対応

主要データ保護規制に準拠した安全なファイル転送ソフトの決定版!

moconaviBYODもセキュリティもこれひとつ
本当に明日からできるテレワーク

業務システムのリモート利用や公私分計をセキュアに実現するmoconavi

アライドテレシススモールビジネスのWi-Fi整備は
プロにおまかせ!

アライドテレシスなら安く・早く・楽に・安全に導入・運用してくれる

ソネットSMBに“ちょうどいい”Wi-Fi

高コストはかけたくないが、家庭用では性能が足りない。そんなジレンマを解決できるWi-Fiがあった!

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます