Bluetooth SIGは、近距離無線通信規格の1つであるBluetoothの業界団体で、標準仕様の策定や製品認証などを行っている。シニア リージョナル マーケティングマネージャーのロリー・リー氏によれば、現在の加盟企業数は3万3793で、「世界中の企業がバランスよく参加しており、多様性も備えている」。APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、南北アメリカの3地域でメンバー企業を分けるとほぼ3分の1ずつとなり、多様なコミュニティが形成されているという。なお、日本からは約1600社が加盟している。
Bluetooth SIG シニア リージョナル マーケティングマネージャーのロリー・リー氏(左)と、
デベロッパー リレーションズ マネージャーを務めるカイ・レン氏
Bluetooth対応デバイスの数も堅調に伸びている。出荷台数は、2018年の1年間だけで39億台にも達する見込みだ。説明会当日に公開した2018年版「Bluetooth市場動向レポート」によれば、2022年には年間出荷台数が52億台に達すると予測されている。2017年にリリースされた新規格「Bluetooth Mesh」と、その前年に登場した「Bluetooth 5」がこの成長を牽引するとリー氏は話した。
具体的には、これまでユースケースの主流を占めていたオーディオデバイスやPC周辺機器、ウェアラブルデバイス等のコンシューマ向けデバイスに加えて、屋内位置情報サービスやトラッキング、そして工場やビル設備等の制御・監視システムなどの新たなユースケースを開拓することで成長を促すという。
デバイス間で相互接続しメッシュネットワークを構築できる「Bluetooth Mesh」。
その年間出荷台数は、2022年には5億台を超えると予測されている
こうしたIoT用途での活用が特に期待されるのが、メッシュ型ネットワークの構築を可能にするBluetooth Meshだ。先述のレポートでは、2022年の年間出荷台数は5億2000万台にも達すると予測している。
メッシュネットワークの「入口はスマート照明」
Bluetooth Meshを「革命的なもの」と話すのは、デベロッパー リレーションズ マネージャーを務めるカイ・レン氏だ。「Bluetoothで初めて『多対多』のトポロジーを可能にした」ことで、従来のBluetooth(1対1、または1対多)がカバーできなかった領域で新たなビジネスを創出できるようになったと述べた。
Bluetooth規格の進化に応じて、新たなソリューションが可能になるとレン氏は話した。
特にメッシュ型トポロジーを可能にしたBluetooth Meshによる変化は「革命的」という
その例として同氏が挙げたのが、「スマートビルディング」「スマートホーム」「スマートインダストリー」「スマートシティ」だ。ビル設備の状態監視や自動制御、位置情報確認、ホームオートメーションといったユースケースが可能になるという。