「調査の目的はヒアリングを通じて、現在および将来的なデータ保護の課題を明確化することだ」とデル・テクノロジーズDPS 事業本部 シニア ビジネス ディベロップメント マネージャーの西頼大樹氏は説明した。
調査はグローバルで行われた。企業・組織がデータ保護を考える上での |
ダウンタイム/データロスを経験する企業が増加まず、西頼氏が指摘したのはデータの量とその価値が引き続き上昇傾向にあることだ。「前回調査から企業内で管理するデータ量は40%も増えた」。また、現時点でデータから収益を挙げている企業、そして将来収益化するためのツールに投資している企業の割合も増えている。
その一方で、今回の調査で見つかった課題として「目立ったのが、データロス(紛失)。それとサイバー攻撃などによりデータにアクセスできなくなり、決められた時間内に復旧できない、という経験をした企業の割合が増えている」ことだという。
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過去12カ月に発生したインシデントの経験割合。特に中央にある「データロス」「サイバー攻撃やサイバーインシデントによるデータアクセス阻害」の増加を西瀬氏は問題視した |
データが失われると、そのデータをもとに提供しているサービスなども止まる。「デジタルデータを使うサービスへの期待値は高まっている。データがなくならなくとも、(復旧に時間がかかり)サービスが停止すれば損失に繋がる」と西瀬氏は説明した。
また、多くの企業がデータ保護の方法に不安を抱えていることも判明した。「データロス時の復旧に自信がないと答えた企業は64%。サイバー攻撃を受けた時の復旧には7割近くの企業が自信がないと答えた」
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サイバー攻撃を受けた際に、データを復旧できる自信のある企業は多くない |
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新技術を導入すると「複雑性が増す」(西瀬氏)。そのためデータ保護も難しくなる |
こうした新技術は、「リスクポイントを増やしかねない」と西瀬氏は指摘した。
5G/クラウドエッジ環境の導入を例にとると、「5Gのネットワークが使えるようになると、企業のネットワーク構成が変わる。例えば、流通・小売りなどでは従来はどこかのデータセンターに集約していた各拠点・店舗のネットワークが、直接クラウドとインタラクティブに繋がるようになる。こうした各拠点をコンパクトに保護する方法が課題になる」と西瀬氏は語った。