日本マイクロソフトは2012年12月5日、同社が掲げるエンタープライズソーシャル戦略についての記者説明会を開催した。執行役マーケティング&オペレーションズゼネラルマネージャーのマイケル・ビール氏は、「次期Officeはデバイス、クラウド、ソーシャル、管理の4観点から機能を強化している。そのなかで、エンタープライズソーシャルは重要な要素になる」と話した。
次期Officeはデバイス、クラウド、ソーシャル、管理の4つの側面から強化されている |
同社は「SharePoint 2013」のオンプレミスエディションを12月1日にボリュームライセンスで提供開始したが、これにエンタープライズ向けSNS「Yammer」を統合することで、あらゆるビジネス、あらゆるアプリケーションにおいてソーシャル技術を活用できるようにするという。
業務執行役員でOfficeビジネス本部の本部長を務めるロアン・カン氏は「リッチなコラボレーションスイートであるSharePointと、最先端のソーシャルネットワーキングを提供するYammerは、互いを補完し合う組み合わせ」と話す。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Officeビジネス本部 本部長 ロアン・カン氏 |
カン氏によると、「SharePointは米国内のインフォメーションワーカー(情報の収集・共有により仕事の付加価値を高める労働者)の3人に2人が利用しており、この11年間で20億米ドルも売り上げている。日本でも同様に10年間で2桁成長に至った。またYammerは、設定の容易さとすぐに利用可能な点が評価され、3年間で400万のユーザー、20万社以上の企業が採用している」という。
SharePointモバイルアプリについては来年第1四半期に提供する予定で、Windows Phone 8版、iOS版、Android版を順次投入していくという。これによりニュースフィードおよびSkyDrive Proへのアクセスが実現できる。さらにYammerの提供方法を変更することも発表した。これまでYammerのライセンスプランには3タイプあったが、これを「Standard」と「Enterprise」に統合し、Enterpriseの価格を15ドルから3ドルに引き下げるという。
SharePointとYammerの今後のロードマップについて、カン氏は「シングルサインオンによるID管理や、ドキュメント管理、フィードの統合を進める。将来的には、クラウド上で展開する90日間のアップデートサイクルを活用しながら、統合環境をより強化する」と述べた。
マイクロソフトが考えるエンタープライズソーシャルの導入メリットについては、1.従業員同士のエンゲージメントの向上、2.効果的なチームコラボレーションの実現、3.ビジネスの俊敏性の向上、4.顧客対応速度の向上の4つを示した。
エンタープライズソーシャルの導入による4つのメリット |
たとえば、1.従業員エンゲージメントについて「SharePointとYammerを活用して会社のあらゆるレベルでディスカッションやアイディアの共有を促進することでエンゲージメントを高められる。これにより離職率を大幅に低下させ、生産性、収益性を向上させられる」(カン氏)としている。