NECは2025年8月27日、個人や組織がもつ暗黙知をデータ化して学習・活用し、Web上での業務を自動で実行するエージェント技術「cotomi Act」を開発したと発表した。
全体イメージ
cotomi Actでは、個人や組織の専門業務に内在する暗黙知を、ブラウザ上の操作履歴やログなどの行動履歴から自動抽出し、意味や背景まで理解した上で形式知化する。これにより、人手では捉えきれなかった領域の暗黙知をデータ化し、AIエージェントによる学習や業務に活用することが可能になるという。
また、データ化した暗黙知は、NECの生成AI「cotomi」等によって自動分析され、実際の業務に活用される。これにより、AIエージェントはユーザーからの曖昧な指示に対しても、膨大な暗黙知の中から必要な知識を的確に見分け、情報や手続きを自動で検索・選択することが可能になる。従来のAIエージェントでは難しかった複雑で専門性の高い業務も、高精度かつ自律的に実行できるとのことだ。
Webブラウザ拡張として動作するcotomi Actを利用して最新の情報を調査し、チーム内に共有をする例
なお、同技術を活用してWebブラウザの拡張機能として動作するAIエージェントは、Webエージェントの国際的ベンチマーク「WebArena」において、世界で初めて人間を上回るタスク成功率を記録した。人間の成功率は78.2%、従来のAIエージェントは40%~70%前後に留まっていたが、cotomi Actを活用したAIエージェントは80.4%を達成したという。