KDDIの第1四半期決算は前年同期比32.8%の大幅減益――通期計画の達成には自信

KDDIは2012年7月25日、第1四半期決算を発表した。売上高は前年同期比0.4%減の8616億円、営業利益は同32.8%減の942億円と減収減益だった。

前年同期比32.8%減という大幅な減益について、田中孝司社長は「3M戦略の本格化に向けた先行投資が要因」と説明した。7月以降は、au契約数の増加による通信料収入の下げ止まり、固定系収入の拡大、800MHz帯の再編に向けた500億円規模の端末移行コストの解消などにより増益となる見通し。通期計画では営業利益5000億円を目標に掲げるが、「達成に向けた自信に揺らぎはない」(田中社長)という。

今期のARPUは4240円で、前年同期の4670円と比べて430円減少した。ただ、データARPUは前年同期比310円増の2720円となっており、「まだまだ拡大の余地がある」(田中社長)としている。

データARPUは前年同期より310円増加した

KDDIは2012年度を、「マルチネットワーク」「マルチデバイス」「マルチユース」からなる「3M戦略」を本格展開する年と位置づけている。このうち、auスマートフォンと固定ブロードバンド回線をセットで契約するとauスマートフォンの利用料金が2年間にわたり月額1480円割り引かれる「auスマートバリュー」が好調で、開始4カ月でauの契約数は133万、世帯数は82万になるという。

その結果、家族内での「au連鎖」は今年3月末の1.5から、6月末は1.6に上昇したほか、auスマートフォン新規契約者の25%が加入している。「auひかり」の純増数も4-6月期は15万1000と前年同期比の2.8倍に増えており、新規契約の33%が加入するなど、移動体と固定の双方に貢献している。

また、月額390円でアプリが取り放題になる「auスマートパス」の6月末時点の契約数は147万で、3月末より91万増加した。現時点ではAndroidスマートフォンにのみ対応しているが、契約率は80%弱に達している。

なお、今期からは従来の移動体事業・固定事業という分類をあらため、「パーソナル」「バリュー」「ビジネス」「グローバル」の4つのセグメント別に業績を出している。

パーソナルは、売上高が前年同期比2.9%減の6658億円、営業利益は前年同期比37.9%減の651億円。家庭おより個人向けのコンテンツ・決済サービスの分野であるバリューは、売上高が同22.3%増の347億円、営業利益が同6.7%減の101億円。ビジネスは、同1.9%増の1563億円、営業利益は同27.4%減の152億円、グローバルは、売上高が同18.4%増の463億円、営業利益が同22.2%増の14億円となった。

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