(左から)キャンパスクリエイト 専務取締役 オープンイノベーション推進部 プロデューサー 須藤慎氏、武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 学部長兼教授 伊藤羊一氏、MUSVI 取締役 COO 三木大輔氏
「小さな画面越しでは相手の細かい表情や雰囲気が見えにくい」「社内コミュニケーションが少なく、孤独感を感じる」――。新型コロナ拡大により普及したオンライン会議は場所を問わない柔軟な働き方を実現した一方、オンライン会議ならではの課題に直面する企業も少なくないのではないか。
こうした悩みを抱えている企業や医療・教育機関などにお勧めしたいのが、MUSVI(ムスビ)のテレプレゼンスシステム「窓」だ。
同社はソニーグループからカーブアウトしたスタートアップ。2023年9月、東京都の「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」の開発プロモーター(東京都と協働して、次世代通信技術等を活用した製品・サービスの開発を行うスタートアップ企業を支援する事業者)であるキャンパスクリエイトの支援先スタートアップに選定された。また、昨年11月にはシリーズAファーストクローズを発表し、累計7.2億円の資金調達を完了させた。
「窓」の活用イメージ
等身大のディスプレイと独自の音響技術で臨場感を演出
「窓」と他のオンライン会議ツールとの大きな違いは、「『すぐそこに人がいる』という感覚を重要視して設計している点にあります」と取締役 COOの三木大輔氏は語る。
その思想を体現しているのが、縦型の大型ディスプレイだ。これにより、等身大の相手とのコミュニケーションや双方向の同時ハンズフリー通話が可能になり、まるで相手が目の前にいるような臨場感と同じ空間を共有しているような雰囲気を提供する。プライバシーを確保するためにディスプレイへぼかしを加える「カーテン機能」も備える。
さらに目を見張るのが、ソニーの技術「ステレオエコーキャンセル」を実装している点である。「スピーカーから出た音をマイクが拾うと、エコー(反響)が発生してしまいます。このエコーを消去する技術で、クリアな話者の声だけを相手に伝えることができます」と三木氏は胸を張る。2024年度グッドデザイン賞も受賞し、審査委員による「私の選んだ一品」にも選ばれた。