KDDI、KDDI総合研究所、Jij、QunaSys、早稲田大学の5者は2025年2月27日、量子コンピューターの技術開発と事業化に関するパートナーシップ締結に合意したと発表した。
具体的には、量子コンピューターを活用できる産業分野を特定するため、早期に実用化が期待できる最適化や化学計算の分野を中心にユースケースを開拓していく。最適化の分野では、通信品質や基地局のエネルギー管理の最適化、通信以外の分野では、物流の経路や製造業における生産計画の最適化などを想定。化学計算の分野においては、次世代の再生可能エネルギーに向けた材料開発などを想定しているという。
量子コンピューターを社会に実装していくためには、古典コンピューター上で社会的な実装が進むAI基盤から、量子コンピューターに利用者をシームレスにつなげ、古典・量子コンピューター間の境目を感じさせない環境の構築も必要になる。今後は、量子コンピューター上のアプリケーションの開発者と利用者を分け、古典コンピューターのAPIのような仕組みや利用者向けのアプリケーションポータルを用意することで、量子計算に詳しくない利用者でも容易に量子コンピューターの計算能力を活用できる機能の開発を目指すという。
また、AI基盤と量子計算基盤は年々進化すると考えらえるため、その進化によって生じる技術的な変化や差分をプラットフォーム側で吸収し、アプリケーションごとに最適な計算資源を選択できる機能の開発にも取り組むとしている。