アリスタ兵頭副社長が語る生成AI時代のネットワーク「汎用チップが優位。Ultra Ethernetは2025年早期に」

データセンター/クラウドインフラ領域で躍進し、2年で売上を倍増させたアリスタネットワークスが次に見据えるのは生成AI基盤ネットワークという新市場だ。「InfiniBandには負けていない」「AI基盤では汎用チップが圧倒的に優位」と自信を見せる副社長の兵頭弘一氏に展望を聞いた。

副社長 兼 技術本部長 兵頭弘一氏

アリスタネットワークスジャパン 副社長 兼 技術本部長 兵頭弘一氏

――アリスタネットワークスの2023年12月期の売上は58.6億ドルと、前期から33.8%増、2年前と比べると倍増しています。売上が急成長している理由は何ですか。

兵頭 アリスタは2004年にクラウドコンピューティングをターゲットに創業しましたが、クラウドインフラの需要がコロナ禍で大きく伸びたことが1つめの要因です。インターネットの使用量が増えて、データセンター(DC)の設備投資が加速しました。DC市場ではついに、これまでトップシェアだったベンダーに追いつきました。100ギガ以上の高速インターフェースのシェアは現在、我々がトップです。

さらに、企業LAN向けや通信事業者向けのハイエンド製品を拡充してきたことも売上につながってきています。

――他ベンダーが微増から横ばいのなか、シェアを大きく伸ばしています。

兵頭 マーケットシェアが変化しているのは間違いありません。

お客様は新しい選択肢を探していて、他社製品からアリスタに乗り換えていただくケースが増えていることも、好調の要因の1つです。

――企業/通信事業者向けの売上比率は増えていますか。

兵頭 数字は公表できませんが、非常に早いペースで伸びています。

――アリスタはDCのイメージが強いですが、こうした新領域では何が評価されているのですか。

兵頭 ベースにあるのは、DCでの評価です。安定性や高速性、信頼性に加えて、自動化/可視化ソリューションにも高い評価をいただいてきました。企業LANにもポートフォリオを広げた理由の1つが、そうしたDC向け製品のお客様から、「可視化・自動化をもっと広く社内全体で進めたい」と要望されたことです。

半導体の進化も後押しになっています。共同創業者の1人であるベクトルシャイムは、創業時はDC向けだけだが、10年後にはキャリアグレードの製品も汎用チップで作れるようになるというビジョンを描いていましたが、汎用チップが進化した今、実際にそうなりました。

我々の製品は、当初はDC内のサーバー接続用スイッチだけでしたが、そこからDCネットワークの中核を担う機器に進化し、DCの出入口でルーティングもできるようになりました。現在ではサービスプロバイダーのバックボーンネットワークでも使われています。

以前は用途ごとに作られた専用機器を使わざるを得なかったユースケースでも、今では汎用チップを使った我々の製品が使えるようになったことで、アリスタ製品の採用が広がっています。

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兵頭弘一(ひょうどう・こういち)氏

愛媛県出身。電気通信大学電子情報学科卒業後、国内コンピュータメーカーでネットワーク機器の設計開発業務に従事。その後、25年以上外資ITメーカーで、ネットワークエンジニアを経て、SEチームのマネジメントを行う役割を担っている。2011年より、アリスタネットワークスジャパンに勤務。

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