通信事業者におけるAI/機械学習の3つの適用領域
各国の通信事業者が生成AIを含むAIを業務に実装しようとしている。NEC ネットワークオーケストレーション統括部 ディレクターの渡邉正弘氏は、通信事業者におけるAI/機械学習の適用領域を、顧客管理や注文処理などビジネス面を支えるBSS(Business Support System)系、ネットワーク運用を担うOSS(Operation Support System)系、サービス基盤系の3つに大きく分け、それぞれに売上増加、効率化、品質向上という3つの軸があると捉えている。
NEC ネットワークオーケストレーション統括部 ディレクターの渡邉正弘氏(右)、主任の池田仁氏
BSSには、コンタクトセンターやカスタマーポータルでの契約者の行動ログが集まってくる。これを統計情報としてAIで処理し、最適なアクションを示唆するというのが代表的な用途だ。
OSSでは、主にネットワークの品質向上を目指してAIが活用される。適用分野は図表1の4つに分けられるが、これらは「使うテクノロジーもデータも違い、製品としても別。顧客によってやりたいことも異なる」(同部 主任の池田仁氏)ため、NECではコンサルティング等の支援もパッケージ化して提供している。
図表1 OSSへのAI/ML適用
サービス基盤系では、オープンデータを含む多様なデータとの連携によるサービス価値の向上を目指してAIを利用する。