「メタバースのユーザーは、右肩上がりに増え続けている。我々のメタバースに関する受注売上も、昨年度と比べて5倍に伸長している」。こう話すのは、KDDI 事業創造本部 Web3 推進部 3G グループリーダーの矢島葉介氏だ。
KDDIは「KDDI Digital Twin for All」という構想を掲げ、デジタルツインを通じたB2B向けDX(デジタルトランスフォーメーション)と、B2C向けLX(ライフトランスフォーメーション)の実現を目指している。
KDDI 事業創造本部 Web3推進部 3G グループリーダー 矢島葉介氏
この構想の主軸を担うのが、メタバースだ。同社は昨年3月より、メタバースサービス「αU(アルファユー)」を提供開始するなど、メタバース事業に注力してきた。
そして今年3月、メタバースプラットフォーマーのSTY LY、monoAI technology、REALITY XR cloudとパートナーシップを結び、アライアンス団体「オープンメタバースネットワーク」を発足させた。メタバース利活用におけるコンサルティングや空間構築、イベント企画などを一気通貫で支援する。
4社の中から最適なPFを提案
メタバースをビジネスで活用していくにあたって、「自社の課題に沿ったプラットフォームを使わないと、課題解決につながらない。『どのプラットフォームを活用するのか』というのが最初の関門になる」と矢島氏は指摘する。そこで同団体は、各企業のニーズに合わせ、4 社が提供するプラットフォームの中から最適なプラットフォームを提案していくという。
図表 各プラットフォームの特徴
例えば、REALITY XR cloudが提供する「REALITY」は、VTuberなどのライブ配信者を中心に人が集まるメタバースである。「すでに多数のユーザーが集まっている場所に施策を投げ込めるという意味で、マーケティング用途に最適」(矢島氏)だという。
REALITY XR cloud の「REALITY」(出典:REALITY XR cloud)
STYLYの「STYLY」は、プログラミングなどの専門知識なしにVR/ARコンテンツを制作でき、それを現実空間に投射できるのが特徴だ。そのため、デジタル空間だけでなく、自社のリアル店舗にも人を呼び込みたいというケースにSTYLYが適しているという。
STYLYの「STYLY」(出典:STYLY)
monoAI technologyの「XR CLOUD」は、Webブラウザから参加できる手軽さ、KDDIのαUは、NFT(非代替性トークン)等のweb3サービスと連携できる点などが売りだ。