NICTが世界記録! 既存ファイバー+マルチバンド波長多重で378.9Tbps伝送

情報通信研究機構(NICT)は2024年3月29日、フォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループが、光ファイバー伝送で世界最大の37.6テラヘルツの周波数帯域を活用し、毎秒378.9テラビットの伝送実験に成功したと発表した。既存光ファイバーの伝送容量の世界記録を達成した。

商用の長距離光ファイバー伝送システムで利用されているC帯、L帯の波長帯に加え、今後の利用が期待されるO帯、E帯、S帯、U帯を活用したマルチバンド波長多重技術により、大容量化を図った。

(a) 波長多重光伝送のイメージ、(b)(c) 既存の光ファイバにおける伝送容量と周波数帯域について過去の成果との比較

(a) 波長多重光伝送のイメージ、(b)(c) 既存の光ファイバにおける伝送容量と周波数帯域について過去の成果との比較

NICTは2023年10月に、E帯、S帯、C帯、L帯を使用したマルチバンド波長多重により301Tbpsを達成。今回はさらにO帯とU帯を追加することで、使用可能な波長数は1505となった。

さらに、各波長帯に最適な光増幅方式を活用して全波長帯に対応した光ファイバー伝送システムを開発することで、大容量伝送実験に成功した。

E帯、S帯、C帯、L帯を用いた過去の成果(2023年10月)と比較して、伝送容量は25%、周波数帯域幅35%の増加を達成。それぞれ既存の光ファイバー伝送における世界記録を更新した。

今回の技術は、通信需要が高まる将来において、光通信インフラの通信容量拡大に大きく貢献することが期待されるとしている。

伝送システムの概略図

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