導入・選定ガイド

マルチクラウドの準備を始めよう!――NW・セキュリティ見直しの勘所とは?

文◎坪田弘樹(編集部) 2018.05.22

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

パブリッククラウドの普及によって、企業は新たな課題に直面している。パフォーマンスの劣化、セキュリティリスクの増大、運用管理の複雑化だ。これらの悩みを一掃するためのポイントを整理する。

クラウド通信を可視化・制御パロアルトの次世代FWは、マルウェア検知やWebフィルタリングといった脅威防御機能に加えて、通信の中身を解析する機能と、ルールに基づいて通信を遮断したりする制御機能を備えている。そのため、シャドーITも含めてクラウドの利用状況を可視化し、ポリシーに違反する行為を検知して遮断できる。

この可視化・制御が行えるソリューションは他にもある。SD-WANもアプリごとに通信を制御する機能を持ち、最近は、プロキシサーバーにも同様の機能が実装されてきている。

なかでも、クラウドの可視化・制御に特化したソリューションとして注目が集まっているのが、CASBだ。CASBの導入形態は複数あり、大きく分けると、APIを介してIaaS/SaaSと連携することで利用状況を可視化して制御する方式と、クラウド向け通信をインラインで可視化して直接制御するものがある。

マルチクラウド環境では、後者がより効果的だ。API連携による可視化・制御では、対象となるIaaS/SaaSが限られてしまう。一方、インラインによる可視化・制御であれば、どんなクラウドサービスでも使える。

国内でも導入が進んでいるCASBの1つ「Netskope」では、ユーザーが使用する端末にエージェントを入れて、そこから発生する通信をすべてNetskopeのクラウドを経由させることで、その内容をチェックできるようにしている。ポリシー違反の通信は即座に遮断が可能だ。

社員の行動を“掌握”できるかこの可視化・制御で重要なのが、その“深さ”だ。(a)単に「どのクラウドを使っているか」だけでなく、(b)「何をしているか」まで可視化・制御できるかが鍵になる。

(a)の場合、シャドーIT対策には役立つが、基本的には、クラウドの利用を限定する目的にしか使えない。例えば、Office 365とBoxのみ許可し、他はすべてブロックするといった使い方だ。これでは、冒頭に述べたクラウドの“いいとこどり”は望めない。

対して(b)の場合は、操作内容まで掌握し、「操作ごと」に制御できるので、様々なクラウドを使わせながら危険な行動を制御できる。

例えばオンラインストレージを使う場合に、個人情報が含まれるファイルのアップロードをブロックする、特定の社員だけにダウンロード権限を与えるなどだ。また、企業向け/個人向けの両方にサービスを行っているBoxのようなクラウドを使う場合に、個人アカウントによるアクセスをブロックするといったことも可能になる。

GCPSやNetskopeでは、こうしたきめ細かな可視化・制御が可能だ。パロアルトの林氏は、「誰がどう使っているのかわからない状態で制限をかけると、利便性が下がって窮屈になる」と話す。可視性が高ければ、条件付きでクラウドの利用を許可し、そのメリットを享受できる。

Netskopeによる可視化・制御の例
Netskopeによる可視化・制御の例。Salesforceに、マイナンバーを含むファイルをアップロードしようとした
社員の操作をブロックした。多様な“制御アクション”が予め用意されており、
ユーザーはそれを選ぶことでポリシーを設定できる。また、画像からわかるように、複数のクラウドに対して、
詳細な操作ログが取得できることもNetskopeの利点だ



Netskopeを取り扱う東京エレクトロンデバイス・CNカンパニーのCN第一営業本部パートナー第二営業部でグループリーダーを務める松永豊氏も「許可かブロックかしかできないのではクラウド活用は促進できない」と話す。「これまでブロックするしかなかったクラウドを、より活用する方向へ持っていける」ことから、Netskopeへの関心が高まっているという。

これからの企業は、パブリッククラウドの活用を促進し、有用な機能を積極的にビジネスに活かしていく姿勢が不可欠だ。ネットワーク設計の見直しと、クラウド型セキュリティ基盤の構築によって、その準備を進めてほしい。

スペシャルトピックスPR

1810yamaha
1810watchguard
1810macnica

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】LPWA、再加速
●Sigfox&LoRaの現在地/●注目の新興LPWA「Zeta」「ELTRES」の勝機/●アナリストが見通すLPWAの今とこれから/●セルラーLPWAが本格開始!ドコモ、KDDI、ソフトバンクのIoT無線戦略

●東大 江﨑浩教授インタビュー「デジタルとリアルの逆転経済へ」/●対応急がれるISDN&PHSマイグレーション/●ワイヤレスファースト!クラウド型から始まるネットワーク変革/●A10のCEOが語る「5G網の防衛術」/●産業制御システムの守り方とは?

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

ヤマハどうする?データ/音声に使用中のISDN移行問題

モバイル回線へのマイグレーションで、BCP対策との一石二鳥を実現!

MI「止まらない」M2M/IoTルーターで低コストに3G/LTEへの移行を可能に

現行の設備はそのまま、ISDN/PHSを安価にIPへ移行できる!

ハイテクインター数十km先を高速でつなぐ屋外無線
PoEも900mまで延長できる!

ネットワークの“難所”で高速・安定通信を実現するハイテクインター

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

NECマグナスの音声対応LTEルータ「uM320V」なら既存設備はそのままでLTEへ移行できる。

日本ソルテックライセンス管理も楽なクラウド管理型Wi-Fiで、全国拠点を簡単運用

柔軟なライセンス体系と優れたコストで好評なZyxel社のNebula

ゾーホージャパン低価格フローコレクターで
シスコ機器を使い倒そう!

シスコ機器が備えるNetFlowやIP-SLAを活用し、きめ細やかな監視を!

リバーベッドテクノロジーアプリの体感品質を可視化 そのトラブル解決に留まらない効果とは?

「SaaSのレスポンスが遅い」。IT部門の悩みをリバーベッドで解消!

ライトL3スイッチ「SWX3100-10G」行き詰まる小規模NWを変革しよう

高価なレイヤ3スイッチには手が出ないが……。そんな悩みに、新たな選択肢をヤマハが提供する。

IntelligentAVAIエンジンで未知の脅威も自動検知

ウォッチガードのUTMに、マシンラーニングでマルウェアを検知する「IntelligentAV」機能も加わった。

Gigamon通信事業者での採用実績多数!
セキュリティ機器コストも大幅削減

今注目のネットワークパケットブローカー。そのNo.1メーカーとは?

PRTG Network Monitorネットワーク監視を簡単スタート!

NW監視の重要性は分かっているが、人材も予算も不足――。そんな企業に知ってほしいのが「PRTG」だ。

Big Switch Networksウンザリする運用管理とサヨナラ

大量のスイッチを個別に設定・管理する従来型NW運用を、Big Switch NetworksのSDNで革新しよう!

ユニアデックス次世代のネットワーク運用とは?

先進企業はもう始めている「Big Cloud Fabric」によるネットワーク運用変革を事例に学ぶ。

リボン・コミュニケーションズ多様なリアルタイムコミュニケーションでシームレスな通信を実現!

SBCを強みとする2社が合併して誕生したリボン・コミュニケーションズ

SAS Institute Japanデータ解析、もうやり尽くしたと思うのはまだ早い

さらなる品質改善やコスト削減を実現したあの先進企業とは?

アクセスランキング

tc1809
ws58

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます