“VPN不要”でスマホからリモートアクセス――キャリア3社が採用する「CACHATTO」とは?

“VPN不要”で情報漏洩を防ぐ独自方式のリモートアクセス「CACHATTO」を販売するいいじゃんネット。スマートフォン/タブレット端末の導入ハードルを下げるソリューションとして好評を博しているそうだ。

「即日稼働」が人気の秘訣

さて、リモートアクセスソリューションは成長分野だけに競争も激しい。CACHATTOの差別化ポイントはどこにあるのか。三井氏によれば、「VPNを使わない」点が受けているという。

モバイル端末から社内システムにVPNで接続するのがリモートアクセスの主流だが、CACHATTOの仕組みはそれとは異なる。

図表の通り、ユーザー企業内に設置されたCACHATTOサーバーが、データセンター内のCACHATTOアクセスポイント(CAP)との間で、HTTP/HTTPSのみを使った通信によりデータのやり取りを行う。利用者はモバイル端末から、このCAPにアクセスし、ブラウザ上で社内データを扱える。画面のみが手元の端末に転送されるシンクライアントのようなイメージだ。

図表 いいじゃんネットのリモートアクセス「CACHATTO」のシステム構成 [クリックで拡大]
図表 いいじゃんネットのリモートアクセス「CACHATTO」のシステム構成

このため、ファイアウォールに穴を開ける必要がないし、社内のデータも端末には残らないため、紛失・盗難、情報漏洩への対策にもなる。なお、ユーザー1人に付き、最大4端末まで登録できるため、時間・場所によって、携帯電話やノートPC、タブレット端末などを使い分けられるのも大きな利点だ。

特許を取得しているこの仕組みは、さらにもう1つのメリットをもたらしている。社内ネットワークの設定変更が最小限で済むため、導入が非常に早くできるのだ。CACHATTOサーバーの設置・設定も含めて「導入に伴う作業時間は、平均で2時間半」という。

スマートフォンやタブレット端末の試験導入・検証を始めるユーザー企業が増えているが、そのための環境を整えるのも簡単ではない。ネットワークの設定変更を最小限に留めて導入でき、端末にデータを残さないかたちでリモートアクセスが使える環境が整うのは大きな魅力だ。こうした導入容易性と売りやすさも「キャリアの法人営業から評価していただいているポイント」(坂本氏)とのことだ。

本記事は月刊テレコミュニケーション2011年4月号に掲載した記事を再編集したものです。内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります。

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