大日本印刷とNTTドコモ、1月12日より電子書籍サービスを開始

大日本印刷(DNP)、NTTドコモ、DNP子会社のCHIグループによる電子書籍の共同事業会社「トゥ・ディファクト」は2011年1月11日、電子書籍配信サービスを12日より開始すると発表した。

(左から)大日本印刷代表取締役副社長・高波光一氏、トゥ・デイファクト代表取締役社長・小城武彦氏、NTTドコモ代表取締役副社長・辻村清行氏

DNPの電子書籍サービス「honto(ホント)」の文芸書・コミックを中心に電子書籍ストア「2Dfacto」を開設し、ドコモのスマートフォンやタブレット端末向けに電子書籍を配信する。コンテンツはサービス開始当初の約2万点から、今春までに約10万点に拡充する予定。さらに、新刊書や雑誌、新聞、動画を盛り込んだコンテンツの提供も目指すとしている。電子書籍の価格は紙の書籍より1~2割安く、数十円~2000円程度を想定しているという。

また、2011年中には、DNPグループのオンライン書店「bk1(ビーケーワン)」および丸善やジュンク堂、文教堂などのリアル書店と連携した「ハイブリッド型総合書店」として、購入履歴を一覧できる「電子書棚機能」、共通で利用できる「ポイントサービス」などを計画している。このほか、複数の端末で同一の電子書籍を読むことができる「マルチデバイス1コンテンツ」、しおりやマーカーなどで記録した情報を複数の端末で共有し、続き読みができる「sync(シンク)」機能も提供する。

ハイブリッド型書店で、他の電子書籍サービスとの差別化を図る

KDDIが凸版印刷やソニー、朝日新聞社と電子書籍配信事業会社を設立するなど、国内では複数の電子書籍サービスが立ち上がって乱立状態にある。NTTドコモ代表取締役副社長の辻村清行氏は「リアルとオンライン、電子を融合して提供することで、ユーザーに望ましい形で購入していただける」とハイブリッド型が他社にはない強みになると述べた。

出版業界の市場規模は約2兆円といわれる。このうち「電子化されるのは1~2割であり、hontoはそのうち2割に相当する約400~500億円を今後5年間で目指したい」(辻村氏)としている。

電子書籍の普及により、紙の書籍が影響を受けるとの懸念もあるが、トゥ・ディファクト代表取締役社長の小城武彦氏は「デジタルを紙の置き換えにするのではなく、紙の書籍と電子の書籍のハイブリッド商品などにより出版マーケットを拡大していきたい」と語った。

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