<特集>5G産業革命の足音は聞こえてきたか?(第5回)日本の教育を5Gが変える 時間や場所を超えたリアルな講義

地方の専門学校や大学で、教育への5G活用が始まっている。時間や場所の制約なく学べる環境を実現するだけではない。新たな学習スタイルにより、従来の教育を根本から変えることも可能だ。

新潟の専門学校で、5Gを活用した教育がスタートした。狙いは5G時代に活躍する人材の育成だ。「5Gは、医療や製造業をはじめ様々な産業で使われるようになる。5Gのことを深く理解し、企業などで活躍できる人材を育成したい」と新潟コンピュータ専門学校 校長の小島友昭氏は話す。

新潟コンピュータ専門学校 校長 小島友昭氏
新潟コンピュータ専門学校 校長 小島友昭氏

同校は今年4月、AIシステム科に「5Gコース」を新設した。併せて校内の大教室に5G環境を構築し、NTTドコモ 新潟支店の協力の下、10月からは遠隔作業支援ソリューション「AceReal」を使った5G体験授業などが始まっている。実際に5Gを用いて各種技術の実証を行う授業は全国初だという。

新潟コンピュータ専門学校は、企業などと連携しカリキュラムや授業を編成することで、より実践的なスキルの習得に取り組む「職業実践専門課程」認定校の1校だ。AI以外にもセキュリティやVRなど、IT分野における最先端技術を学ぶためのコースが充実している。

ユニークなところでは、eスポーツの開発者やプロゲーマーの育成を目的としたeスポーツ科がある。

校舎1階には、100インチの大型モニターや音響・照明技術を備えたeスポーツスタジアムを完備する。これまでに公式大会も数多く開催された本格的な施設で、実践的な環境でゲーミングスキルを磨けるようになっている。大勢のプレイヤーが同時にアクセスするeスポーツは、高速大容量・低遅延・多数同時接続を特徴とする5Gとの親和性が高いことから、このスタジアムにも5G環境を構築している。


校舎1階にあるeスポーツスタジアムも5G環境が整備されている


大教室とeスポーツスタジアムで用いられているのは、Sub6帯の3.7/4.5GHz帯だ。来年1月にはミリ波の28GHz帯にも対応する。「周波数ごとの特性に合わせたデバイスやコンテンツの使い分け、各周波数のスピード測定なども学生に体験させたい」と新潟コンピュータ専門学校 ゲームクリエーター科学科長 兼 CG・Webクリエーター科学科長の山中裕介氏は語る。

新潟コンピュータ専門学校 ゲームクリエーター科学科長 兼 CG・Webクリエーター科学科長 山中裕介氏
新潟コンピュータ専門学校 ゲームクリエーター科学科長 兼 CG・Webクリエーター科学科長 山中裕介氏

月刊テレコミュニケーション2021年11月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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