慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)とUQコミュニケーションズは2010年11月22日、UQのモバイルWiMAXネットワークを使い、SFCの運営するキャンパスネットワークシステム(SFC-CNS)に日本全国からアクセスできるようにする構想を発表した。2011年4月より開始を予定している。
慶應義塾大学環境情報学部長の村井純氏(左)とUQコミュニケーションズ執行役員CTOの渡辺文夫氏 |
SFC-CNSをWiMAXのネットワークと直接接続することで、SFC-CNSを利用する学生・教職員は、市販のWiMAX製品からSFC-CNSおよび大容量バックボーンで接続されたインターネットへアクセスできるようになり、キャンパスにいるのとまったく同じ環境を実現する。SFC-CNSのIPアドレスがWiMAX搭載PCやWiMAX対応機器に直接割り当てられるので、VPNの設定やパスワードの入力などが不要で簡単に操作できる。VPNクライアントやWebブラウザ認証を経由しないため、モバイルWi-Fiルーターを使えば既存のWi-Fi機器を接続することも可能だ。
WiMAX搭載PCの利用イメージ |
UQコミュニケーションズ執行役員CTOの渡辺文夫氏によると、海外のWiMAXサービスが利用できる「WORLD WiMAX」や複数のWiMAX機器を使い分ける「WiMAX機器追加オプション」など、UQ WiMAXのオプションサービスにも対応するという。
慶應義塾大学環境情報学部長の村井純氏は「大学側は学生の利用動向などを管理できるようになるほか、新しい実験ではキャンパス内だけでなくフルタイムで学生に参加してもらえる。一方、学生にとっては新幹線の車内でも使えるなど非常にユーザビリティが高い」と双方にとってメリットがあることを強調した。
UQコミュニケーションズでは、SFC内の基地局を増設するとともに、最寄駅である湘南台駅からのバス走行ルートのエリア強化も検討している。SFCはMVNOではなく、ユーザーはUQと直接契約することになる。料金などの詳細については検討中だという。