東京ビッグサイト青海展示場Aホールで開催中の無線ネットワーク専門の展示会「ワイヤレスジャパン／WTP2021」。工場における安定した無線通信の実現を目指す「Flexible Factory Project（FFPJ）」のブースでは、メンバー企業・組織による研究開発の内容が紹介されている。
FFPJのブース
NICTでは、工場で起こる高レベル・広帯域なノイズや電波干渉により、通信が途切れたり輻輳する問題を解決し、安定した無線通信を実現するための研究開発を進めている。グローバル制御とローカル制御を連携させて、無線通信を最適化するSmart Resource Flow（SRF）無線プラットフォームを開発しており、SRF対応機器の試作機などを展示している。
NICTの展示
構造計画研究所は、工場にローカル5Gを導入する前の計測やシミュレーションなどを提供している。例えば、工場内設備の3次元形状と電磁特性をモデル化し、4.6GHz帯、28GHz帯の電波伝搬などを解析。パケットが到達しないエリアの測定や、それをもとに、改善できる置局をシミュレーションし、提案する。
構造計画研究所の展示
国際電気通信基礎技術研究所は、工場内の電波環境をセンシングし、可視化するシステムを研究開発している。多数のSDR受信機で複数の周波数帯をカバーするシステムや、特定の周波数帯の電波状況を詳細にモニタリングするためのシステムの試作を展示している。
国際電気通信基礎技術研究所の展示
NECは工場向け無線通信安定化ソリューションを展示。AGV等、工場を移動する機器が通信しているアクセスポイントの通信品質が悪くなると、最適なアクセスポイントにシームレスに切り替えるソフトウェアや、対向1:1で設置するだけで既存の有線Ethernet、デジタル入出力信号を高信頼・低遅延に無線化できる「ExpEther無線メディアコンバータ」を紹介している。
NECの展示
また、東北大学も「無線IoT用小型リアルタイムスペクトラムモニタと稼働物体との高信頼性通信技術」に関するパネル展示を行っている。
