Web会議選びのポイント(2)――最適な導入形態・料金体系の選び方

「テレビ会議と何が違うのか」「製品の種類が多すぎる」「どの機能を重視して選ぶべきか」等々、Web会議の導入・選択に苦慮する企業が少なくない。Web会議の特徴を整理しながら、その選択のポイントを全3回で解明する。2回目の今回は、SI型とASP/SaaS型、さらにASP/SaaS型におけるルーム型とID型の違いを解説する。

Web会議は今や数多くのベンダーがさまざまな製品・サービスを提供している。導入形態も、サーバーを導入するSI型と、月額料金で利用できるASP/SaaS型の2形態があり、さらに適用範囲がかぶるテレビ会議と比較検討するケースも多い。価格のレンジが広すぎるうえ、後述するようにどのベンダーの製品も高機能化している。

そこで今回は、用途や目的に合わせて最適な製品・サービスを選ぶためのポイントを整理してみよう。前回解説した通り、Web会議の利用シーンは幅広い。数拠点の会議室で使うのか、個人レベルのコミュニケーションツールとして使うのか、あるいは大人数の研修で使うのかによって、必要な要素は異なる。製品の特徴をつかみ、用途・目的に見合ったものを選べばコストパフォーマンスにも大きな差が出るはずだ。

まずWeb会議の形態を整理しよう。導入形態によってSI型とASP/SaaS型に分けられ、またASP/SaaS型は、契約形態によって「ルーム型」と「ID型」に分類できる。

導入形態については、利用頻度と規模(端末数)、利用期間などの要素により適切な方を選ぶ。「SaaS=安い」と捉えがちな向きもあるが、それは早計だ。

また、SI型は手厚いサポートを受けられるという点も見逃せない。SI型の「Visual Nexus」を販売するOKIネットワークインテグレーションのビジネス開発本部マーケティング・プランナーである田籠勇一氏は、「ネットワークに大容量の映像データを流すWeb会議は、他の情報システムなどへの影響も大きい。適切なシステム構築、障害時のサポートによる安心感からSI型を選ぶお客様は多い」と話す。

なお、国内で展開している主要ベンダーの提供形態について整理すると、次のようになる。ブイキューブの「V-CUBEミーティング」、JMSの「LiveOn」、NTTアイティの「MeetingPlaza」はSI型とASP/SaaS型の両形態で提供している。シスコの「WebEx」はASP/SaaS型のみ。OKIはSI型の「Visual Nexus」を販売し、子会社のOKIネットワークインテグレーションがVisual Nexusを使ったASP型の「ビデオ会議@PTOPサービス」も提供している。また、エイネットの「Fresh Voice」のように、SI型のみを提供しているベンダーもある。

月刊テレコミュニケーション2010年10月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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