ノキアがローカル5Gエコシステムを発表、オムロンやシャープら5社が参画

ノキアが日本国内でのローカル5G展開に向けて新たな戦略的提携を発表した。オムロン、コネクシオ、シャープ、日鉄ソリューションズ、日立国際電気と組む。各社のデバイスやアプリケーション、SI等を統合したソリューションを開発し、ローカル5Gの導入を促進する。

ノキアソリューションズ&ネットワークス エンタープライズビジネス統轄 執行役員のドニー・ヤンセンス氏によれば、ノキアはグローバルで「222件のプライベートワイヤレス案件を獲得している」という。


ノキアソリューションズ&ネットワークス
エンタープライズビジネス統轄 執行役員のドニー・ヤンセンス氏

ここでいうプライベートワイヤレスとは、企業や自治体などが4G LTEや5Gを自営ネットワークとして構築・運用する「プライベートLTE」「ローカル5G」のことで、「この数は今も急速に拡大している」と同氏。ノキアはこのビジネスを、サービスプロバイダーや各産業界のパートナー企業、SIerやクラウド事業者と連携しながら推進している。


プライベートワイヤレスの顧客数

この取り組みを日本で加速させるのが、2020年12月9日に発表した戦略的提携「Nokia ローカル5G テクノロジーパートナーシップ」の目的だ。オムロン、コネクシオ、シャープ、日鉄ソリューションズ、日立国際電気の5社が参画し、ローカル5Gを活用した企業向けソリューションの開発を進める。

協業する5社はそれぞれ、ローカル5G向けの通信デバイスやIoTセンサー、アプリケーション等を開発しており、それらを連携・統合したソリューション開発を迅速に進めるのが狙い。実証実験やトライアルの実施、営業やマーケティング活動も共同で進めるという。

ノキアのクラウド基盤「NDAC」をベースに展開
この協業の基盤となるのが、ノキアが提供する「Nokia Digital Automation Cloud(NDAC)」だ。5Gコアネットワーク機能や、基地局設備/エッジアプリケーションの管理機能などをクラウド型で提供するプラットフォームサービスである。

ローカル5Gを利用するユーザーはNDACを用いることで、基地局/アンテナ設備やセンサー、エッジサーバーなど現場に必要な機器・設備を除いて、コア機能等をサブスクリプション型で利用できる。現在、LTEをアンカーバンドに用いる5G NSA(ノンスタンドアロン)に対応しているが、2021年度には、5Gのみで運用可能なSA(スタンドアロン)にも対応する予定だ。


NDACで提供する機能

また、NDACのプラットフォーム上ではエッジで活用する各種アプリケーションも展開できる。コンテナ形式での展開が可能で、パートナーが開発したアプリケーションはカタログ形式でカスタマーポータルに表示される。ユーザーはそこから使いたいアプリを選択し、「アプリストアのようにワンクリックでエッジに展開できる」(ヤンセンス氏)。

なお、NDAC用のアプリケーションはマイクロソフトのAzureマーケットプレイスでも提供されており、米ベライゾンやAT&TもNDACを用いて企業向けソリューションを展開しているという。

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