NTTドコモは2010年10月28日、2010年度上期の連結業績を発表した。営業収益は前年同期比0.4%減の2兆1382億円、営業利益は同9.5%増の5315億円と微減収増益となった。
純増数が81万と前年同期と比べて23万増えたほか、スマートフォンやデータ通信カードなどの新商材が好調で総販売数が3年ぶりに増加した。これによりパケットARPUの伸びも加速しており、前年同期比で90円増え、パケット収入は491億円増加。さらに、ネットワークコストの削減なども営業利益に寄与した。山田隆持社長は「2010年は中期経営計画『変革とチャレンジ』の実行の年と位置づけている。上半期は、その実現に向けて着実に歩んでいることを実感できた」と語った。
NTTドコモの山田隆持社長 |
ドコモでは今年度、パケットARPUの110円増を目標にしている。その実現に向けて、「下期は110円以上の上昇を目指したい」という。
パケットARPU増の「大本命」となるのが、スマートフォンだ。ドコモの上期におけるスマートフォンの販売台数は約60万台で、内訳は新規が2割、機種変更が8割だった。スマートフォン市場では目下「iPhone 4」が独走しており、「8~9月はMNPによるドコモからソフトバンクへの流出が多かった」(山田社長)という。11月と12月はXeriaとGALAXY Sで対抗し、iPhone人気に歯止めをかけたい考えだ。また冬春モデルでは、GALAXY SおよびGALAXY Tabを含めて7機種のスマートフォンを投入する。「スマートフォンを購入していただくことが、パケットARPU増につながる。iモードでもARPUを上げる努力をするが、これがスマートフォンを使ってみたいという流れにつながる」としている。
また、山田社長は「3~4年後にスマートフォンと通常の携帯電話の販売比率が半々になる」との認識を示した。ただ、スマートフォンの普及が進んでも「らくらくホン」などにおけるiモードのニーズはなくならないと見ており、「iモードもブラッシュアップしていきたい」という。11月下旬には、ドコモマーケットのiモード版を開始する予定。これはiモードにもオープン環境のアプリケーションを入れるというもので、8月以降、数百のコンテンツが集まっている。山田社長は「ゲームや音楽、書籍をiモードでも楽しんでもらえるようにしたい」と述べた。