「10年間でこれほど変わるとは思っていなかった」――KDDI小野寺社長、最後の記者会見

2010年12月1日付けで社長を退任する小野寺氏にとって、10月22日の第2四半期決算が最後の記者会見となった。

DDI、KDD、IDOの3社が合併して誕生したKDDIは、今年10月で創立10周年を迎えた。01年から社長を務めてきた小野寺氏はこの10年間を振り返り、「いい意味でも悪い意味でも、これほど変わるとは思っていなかった。私にとって最大の課題は3社合併をいかに成功させるかだったが、その意味では比較的うまくいったと思っている。新しいKDDIとして、それなりの形にできたのではないか」と一定の評価を示した。

07年4月には、2010年度までの経営計画「チャレンジ2010」を策定した。その中で目標の1つとして掲げている固定通信の黒字化は「順調に行っており、通期では達成できる」との見通しを明らかにした。また、移動通信については「端末の競争力はかなり回復できると見ている」と語るとともに、「データARPUをどうするかという問題が残っている」と指摘。スマートフォンなどの普及によりデータトラフィックが増加することで、ネットワークにさらに負荷がかかることになるが、「KDDIでは固定と移動の両方を手がけているので、固定系ネットワークとも組み合わせることでさばいていく」とした。

一方、「チャレンジ2010策定時との最大の違いは、シンプルコースを導入せざるをえなかったこと。見通しが甘かったのかと言われれば、そう言わざるを得ない」「ネットワークの統合が遅れた」など、反省の弁も飛び出した。最後は「まだまだやり残したこともたくさんある。しかし、経営環境が変わる中で、田中社長の新しい視点に経営を託したい」と述べて会見を締めくくった。

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