【特集】ネットワーク未来予想図2020光無線「Li-Fi」なら飛び過ぎない! 電波にない利点で需要がジワリ

光無線通信「Li-Fi」には、電波では実現できない確かなメリットがある。すでに製造業や航空機内などで利用され始めた。標準化が進めば広く市場に普及する可能性もありそうだ。

ワイヤレス技術を使う「無線LAN」には、光を使う方式も含まれる。最初の無線LANであるIEEE 802.11には、2.4GHz帯の電波だけでなく、赤外線を使うPHY(物理層、PhysicalLayerのことだが、物理層を実現するデバイスや回路を指すこともある)も含まれていた。この光無線LANは、最近ではLi-Fiと呼ばれる。このLi-Fiが今ジワリとユースケースや導入事例が増え、企業にとって通信手段の候補になってきているのだ。

「ワイヤレス」「無線」は、必ずしも電波を利用する技術に限らない。そもそも、光も電波も電磁波の1種である。その境界は明確ではないが、一般的には、300GHzまでの電磁波を「電波」とする定義が多い(図表)。

図表 電磁波の分類
図表 電磁波の分類

というのは、300GHzで、波長が1mm以下となり、これ以上の周波数では、物質中や空気中の分子などの影響を大きく受けやすくなり、人間が見ることができる「可視光」に性質が近くなってくるからだ。日本の法律やITU(国際電気通信連合)などの定義も300GHzというのが光と電波の境界として使われている。ここでも、この定義に従い、300GHz以上の電磁波を光と呼ぶことにする。

セキュリティ対策に“光”電波による無線LANがあるのに、光を使う無線LANを使う必要があるのか?と思うのが普通だが、現実には、無線が「使えない」環境が存在し、そこでクライアントとネットワークを無線で接続しようとすると光を使わざるを得ないのである。

もちろん、有線接続も利用は可能だが、スマートフォンやラップトップといった最近のクライアント端末の形状とその利用方法は、有線接続になじまない部分がある。

具体的には、政府関連組織や金融分野など、セキュリティの問題で電波の利用を回避したいという要望がある。光の場合、窓がなければ部屋の外に通信が漏れることはない。

光の波長は1mm以下であるため、空気中や物質表面の分子での吸収が起こりやすく、また、物体の表面が波長に対して十分平坦(光学的平坦性)でない場合には乱反射が起こるため、急激に減衰する。このため、光源からの見通し範囲外では信号が微弱になり通信が行えなくなる。

これに対して、電波は光よりも波長が長く、波長程度の大きさの物体で反射などが発生し、見通し範囲外に伝わりやすい。ちなみに無線LANに使われる2.4GHz帯の波長は、12センチ程度である。また、弱くはなるが、壁などを透過したり、金属などを介して再放射される可能性もあるため、電波の漏洩を止めるためには、部屋全体を金属で覆う「シールド」を施す必要がある。セキュリティという面で見ると、光は電波よりも好ましい性質を持っているわけだ。

月刊テレコミュニケーション2020年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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