[特集]ネットワーク未来予測 2019sXGPは秋に立ち上がる! EPC搭載アクセスポイントの価格は10万円台

LTEベースの新自営無線「sXGP」の導入本格化は2019年度後半になりそうだ。公衆PHSの停波に伴う帯域拡大や世界展開によって、普及が大きく加速する可能性も出てきた。

MulteFireとして世界展開次の2つが実現すると、さらにsXGPは飛躍することになる。

1つは、sXGPの運用帯域の拡大である。ソフトバンクはテレメタリングプランを除くすべてのPHSサービスを2020年7月末に終了すると発表した。これにより、sXGPや自営PHS、DECTで利用されている1.9GHz帯自営無線の帯域を、公衆PHSの運用帯域(31.2MHz幅)全域に拡大できる可能性が出てきたのである。

sXGPは公衆PHSとの干渉を避けるため、5MHzの帯域幅で運用される。もし、自営用の帯域が拡大されれば、20MHz幅での運用も可能になり、スループットも4倍以上に向上することが期待される。「帯域幅が20MHzになれば、できることが全く違ってくる」(日比氏)。

公衆PHSの跡地利用を巡る議論の行方は見通しにくいが、実現すればsXGPの普及が大きく加速することになる。

図表 sXGPに飛躍をもたらす2つの可能性
図表 sXGPに飛躍をもたらす2つの可能性

2つめは、世界展開の可能性だ。sXGPは、基地局のスケジューリング機能を活用することでDECTへの干渉を回避できる。1.9GHz帯への導入が認められたのは、このためだ。

DECTはデジタルコードレスの世界標準として多くの国で利用されているが、干渉を回避できるのであれば、DECTの運用帯域がBand39と重なる欧州や南米などでもsXGPの導入が認められる可能性が出てくる。

そこでXGPフォーラムでは、欧州のDECT帯域などへの導入を視野に、自営LTEを推進するMulteFireアライアンスに対して、sXGPをMulteFire規格の一部として統合することを提案。最新版のMulteFire1.1に、sXGPは「1.9GHz帯MulteFire」として盛り込まれた。

すでに、MulteFireアライアンスの主力メンバーであるノキアが、試作アクセスポイントを開発してDECTフォーラムに持ち込むなど、「1.9GHz帯MulteFire」の世界展開はスタートを切っている。

月刊テレコミュニケーション2019年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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