野村総合研究所(NRI)は2018年10月19日、携帯電話料金に関する意識調査の結果を発表した。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3キャリアのスマートフォンユーザーで、自ら料金を支払っている3000人を対象に今年7月、インターネット上で調査を行ったもの。
今回の調査を担当した野村総合研究所コンサルティング事業本部パートナーの北俊一氏 |
まず、現在支払っている携帯電話料金について、どのように感じているかという質問に対し、「とても安いと思う」~「とても高いと思う」の9段階で回答してもらったところ、高いTop3が59%と約6割を占めた。また、支払っている金額について「納得していない」~「納得している」の9段階で聞いたところ、納得していないTop3が32%、ミドル3が55%、納得しているTop3が13%となった。
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約6割が携帯電話料金を「高い」と感じている |
この2つの設問をクロスすると、料金が高く、納得していない層が約3割いた。この層の基本属性を調べたところ、毎月の支払い金額や端末台数、契約プランなどの多寡には関係ないことが明らかになったという。
次に、携帯電話料金の批判構造を分析するため、「社会インフラの位置づけ(必需品)」「儲け過ぎ」「携帯料金を負担に感じる」「不誠実感(不信感)」「スマホを使いこなせていない」という5つの「意識」について、「まったくそう思わない」~「とてもそう思う」の9段階で尋ねたところ、約半数が「(通信事業者は)儲け過ぎ」であり、「料金を負担に感じている」と回答。3割弱が通信事業者を「不誠実」だと思っていることがわかった。
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約半数が料金を負担に感じている |
携帯電話料金を「高い」かつ「納得していない」と考えている「批判層」と5つの意識との関係性を判別分析によって構造化したところ、「負担感」が最も関係性が強く、次いで「不誠実感」となった。負担感を生み出した経験としては、「スマホに変えて高額請求」「オプションの解約忘れ」「ギガ余り(アンマッチ)」の3項目で、批判層が納得層を10ポイント以上も上回った。一方、不誠実感を生み出した経験としては、「オプション商法」「より上位のプラン加入強制」「おとり広告」の3項目で、批判層と納得層のポイントに大きな差が見られた。
調査を担当した野村総合研究所コンサルティング事業本部パートナーの北俊一氏は「通信事業者の不誠実・不透明な料金プランや販売手法による経験や意識が不信感につながり、批判層を生み出している」と指摘した。