NTTドコモは、5G(第5世代移動通信方式)を活用したサービスやコンテンツを体感できる未来体験空間「PLAY5G 明日をあそべ」を東京スカイツリータウン内の東京ソラマチ(東京都墨田区)に2018年4月20日オープンする。
それに先立ち、19日にはオープニングセレモニーが行われた。ドコモ5G推進室長の中村武宏氏は「多くの方々に、5Gによる近未来のユースケースを体験していただきたい」と語った。
NTTドコモ5G推進室長の中村武宏氏(中央) |
5Gの特徴である「高速大容量」「低遅延」「多数端末接続」を体験するための環境として、「5Gトライアルサイト」を2017年5月から始めているが、これは業界関係者やビジネスパートナー向けだ。これに対し、「PLAY5G 明日をあそべ」は家族連れや若者を対象としている。来場者の意見をフィードバックし、さらなる開発につなげたいという。
オープン時の展示物は以下の通り。
●ジオスタ
スマートフォンやスマートグラスを通してテーブル型モニターを見ると、サーキットコースが立体的に表示される。AR(拡張現実)により、選手の動きや中継映像、結果など俯瞰的にレースを楽しむことができる。
スマートフォンをテーブル型モニターにかざすと、サーキットコースが立体的に表示される |
●Free View Point Live
多数のカメラ映像からリアルタイムに人物を3DCG合成し、その映像を5Gで伝送するシステム。会場では、ディスプレイに映し出された「先生」の動きに合わせて踊ったり、その様子をヘッドマウンドディスプレイで様々な視点からリアルタイムに鑑賞するといった体験ができる。
●8KパノラマVR
離れた場所にいても、5Gで高品質・臨場感のあるスポーツやライブ映像、観光風景を体験可能なパノラマ映像視聴システム。ヘッドマウントディスプレイを装着すると、臨場感のある音声とともに、8K360°の映像で沖縄の海岸の風景や伝統芸能の様子が流れ、あたかも現地にいるような気分を味わえる。
●建設機械の遠隔制御
5Gの業務活用の代表例ともいえるのが、建設機械の遠隔制御だ。5Gの特徴の1つである「低遅延」を活かし、遠隔から制御するもので、ドコモはコマツと実証実験を行っている。会場の展示コクピットから無人のショベルカーが作業する映像を見ることで、建機の遠隔操作を模擬体験できるようになっている。
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建設機械の遠隔操作を模擬体験できる |
このほかにも、LEDフレームを回転させて映像を表示しながら、内部のドローンにより飛行する「高解像度版浮遊球体ドローンディスプレイ」も展示されている。
2017年に開発した従来機より、12倍超の解像度を実現している |
2017年に開発された従来機よりLEDフレームのLED搭載数を増やすとともに制御基板を刷新することで、 12倍の解像度(縦半周320×横1周760ピクセル)を実現した。これにより、従来機では難しかった実写映像やアニメーションもリアルに表示できるようになった。
ドコモでは2018年度の商用化を目指している。飛行時の騒音が課題のため、まずはスタジアムやコンサートホールなどイベント会場における舞台演出や広告、案内としての活用を検討しているという。
オープニングセレモニーでは、移動式5Gプラットフォーム(5Gデモバス)も展示された。
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5Gバスは各地での展示を予定している |
車内には前面7K、両側面3Kの巨大スクリーンが設置され、4Kプロジェクター4台、5.1ch対応の音響設備を搭載する。また、インテル・コーポレーション製の5G移動基地局装置やアンテナも備え、5Gの無線伝送によるリアルタイム映像伝送などのデモが可能だ。
7月の沖縄県を皮切りに、大阪府や北海道など全国各地でのイベントを通じ、5Gデモバスの展示を予定している。
「PLAY5G 明日をあそべ」の入場料は無料。展示期間は来年3月31日までで、展示物は数カ月おきに入れ替えを行うという。