新LPWA規格「Weightless-P」が日本上陸――「下り」を強みにLoRaと差別化

英Weightless SIGが策定した新しいLPWA規格「Weightless-P」の日本での展開が本格化する。LoRaWANを凌駕する下り最大100kbpsの通信速度を武器に、工場などへの導入を目指す。

「LoRaWANと正面対決しようとは考えていない。LoRaWANが不向きなユースケースを狙っている」

英Weightless SIGが2015年12月に策定した新しいLPWA規格「Weightless-P」─。その技術開発・標準化を主導する台湾・ユービック社の高橋利也氏は、Weightless-Pの普及戦略をこう説明する。

ユービック 本部長 高橋利也氏
ユービック 本部長 高橋利也氏

高い省電力性と広いエリアカバレッジを特徴にするIoT無線であるLPWA(Low Power Wide Area)。先行するSigfoxとLoRaWANを追って、様々なLPWA技術が登場しているが、Weightless-Pもその1つだ。

Weightless SIGはARMを中心に、2012年に設立されたIoT無線の推進団体である。2015年に台湾のM2COMM社がWeightless SIGのコアメンバーとして参画し、Weightless-Pの仕様策定に携わった。ユービックは、M2COMM社の元副社長が2016年に独立して創業した企業で、今年2月からWeightless SIGのボードメンバーとして参画。M2COMM社に代わり、Weightless-Pの技術開発を主導している(M2COMM社は2016年後半よりボードメンバーを辞退)。

Weightless SIGが策定した無線規格はWeightless-Pが初ではない。2013年にTVホワイトスペースを活用する「Weightless-W」、2015年5月にサブGHz帯の免許不要帯域を利用する超狭帯域通信技術「Weightless-N」の2つの無線規格を策定している。ただ、Weightless-Wは各国の規制の問題から実用化されていない。また、SigfoxやLoRaWANが脚光を浴びる一方、Weightless-Nも存在感を示せてこなかった。

そうしたなか、第3のIoT無線規格として世に送り出されたのが、Weightless-Pである。高橋氏は、「SigfoxやLoRaWANとも十分に差別化できる本命技術だ」と語る。

月刊テレコミュニケーション2017年8月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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