「アグレッシブにやってこそソフトバンク。孫正義会長を筆頭に、他のキャリアを圧倒するスピード感で、IoTの先頭を突っ走る」(ソフトバンクの沓野剛氏)
IoT向け無線ネットワークとして期待が高まる「LPWA(Low Power Wide Area)」─。国内大手3キャリアの中でスタートダッシュを決めるのはソフトバンクだ。
同社は先般、2016年度内に免許不要の周波数帯域(アンライセンスバンド)を利用するLPWAの「LoRaWAN」を提供開始すると発表した。
(右から)ソフトバンクのサービスプラットフォーム戦略・開発本部プラットフォーム戦略統括部戦略部部長を務める中島裕司氏、同戦略部戦略1課課長の沓野剛氏、同戦略部戦略1課の板垣睦敏氏 |
LoRaWANの魅力は展開スピードとオープンさ「NB-IoTでは、『今、IoTをやりたい』という声には応えられない。現在使える技術で、ベストのIoTソリューションを実現するためだ」。LoRaWANの提供を決めた理由について、ソフトバンクの中島裕司氏はこう説明する。
免許が必要な周波数帯域(ライセンスバンド)を利用する「NB-IoT」や「カテゴリM1」は、2016年6月に3GPP(移動通信の国際標準規格を策定する業界団体)のRelease 13で標準化されたばかり。技術検証や国内の法整備などを経て、実際に利用できるようになるのは、2018年になると見られている。それまでの時間的空白を埋めることが、ソフトバンクがLoRaWANを採用した最大の目的だ。
ただし、LoRaWANに匹敵しうる現在利用可能なLPWAは、2017年2月からサービスが開始される「SIGFOX」に加え、米Ingenuの「RPMA」、Sensus(センサス)の「FlexNet」など、他にも存在する。
数ある選択肢の中から同社がLoRaWANを選んだ理由は「オープンさ」にあるという。
「LoRaWANは、オープンでエコシステムが大きい。すでに400社以上がLoRaアライアンスに参加しており、3GPPに近い形でオープンに仕様を決めている。数多くの企業がセンサーを作り、幅広いユースケースに対応できるようになることが見込まれるため、LoRaWANを採用することにした」(沓野氏)